女の意地
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な発言は俺には似合わないぜ、と内心で愚痴りたくなるが、まぁ、そんなのはどうでもいい。
ネシンバラは、こちらの周囲を窺うように視線を動かして、一言呟いた。
『───すまない。随分と負傷者が出てしまった』
それに今度こそ呆れの溜息を吐くが、まぁ、悪い事ではないだろう。
人心を窺えない軍師では、やはり、士気に関わる。まぁ、そんなのは全員知っていると思うが、まだ武蔵に入って間もない元警備隊などもいるのだから、そういう意味ではイメージに良い。
まぁ、そんなのを狙って吐くような馬鹿じゃないから、何も言わない。
軍師というのは大変なもんだ、と内心で思いながら台詞を生む。
「自惚れが酷いぜ眼鏡。いいから、とっとと活躍して来い。剣神の出番を獲るんだから、精々派手にやって来い」
『……それはまた……剣神の出番となれば戦場の主役かい? 軍師としては、ちょっと間違っている気がするけどね』
まぁ、そこまで戯言を言えるんなら十分かと思い、苦笑で返す。
そこで、ネイトが会話やネシンバラの表示枠に不自然さに気付いたのか、会話に混ざる。
「……ネシンバラ? まさか、貴方───」
『Jud.僕も迎撃に向かっているよ。本当の所を言えば、僕じゃなくベルトーニ君にはしゃいで欲しかったんだけど、彼は彼で大忙しだ。まぁ、今回は相対戦だから軍師は楽でね。手が空いているから、行こうというわけなんだよ』
その言葉にネイトは少し、心配そうな表情に眉の形を変える。
そして、何か言おうとするネイトを遮る形で、俺が言葉を放つ。
「いいじゃねえか、ネイト。ネシンバラも男の子って奴だよ」
「い、いえ……男の子関係ありませんのでは?」
そういう事にしとけよ、と苦笑気味に伝える。
そこで改めてネシンバラの表示枠に向かい
「はしゃげよ男の子。男がはしゃがなくて、どーすんだよ。精々、爺、婆連中を疲れさせてやれよ。ただし、手抜くなよ? 遊びも仕事も何事も手抜いたら面白味が欠けるからな。やるなら、徹底的にしやがれ」
『相変わらずの狂った発言だ』
言葉に対してネシンバラの声の響きには苦笑が伴っていた。
しかし、否定しない所を見ると、つまり、そういう事なんだろうと思い、俺も笑う。
『Jud.副長にそこまで言われたなら、僕も頑張らざるを得ないね。ま、程々に頑張るよ。この三分間をはらはらどきどきしながらそこで待っていてくれ』
そこで、表示枠が宙から消える。
暫く、周りは無言であったが、俺がその雰囲気を笑いながら、周りを見回しながら口を動かす。
「な? あの眼鏡。ノリノリだっただろうが」
「英国の判断。どう思うかね元生徒よ」
白く、広い聖堂の奥の祭壇の前の階段に座っている
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