暁 〜小説投稿サイト〜
不可能男との約束
女の意地
[9/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
な発言は俺には似合わないぜ、と内心で愚痴りたくなるが、まぁ、そんなのはどうでもいい。
ネシンバラは、こちらの周囲を窺うように視線を動かして、一言呟いた。

『───すまない。随分と負傷者が出てしまった』

それに今度こそ呆れの溜息を吐くが、まぁ、悪い事ではないだろう。
人心を窺えない軍師では、やはり、士気に関わる。まぁ、そんなのは全員知っていると思うが、まだ武蔵に入って間もない元警備隊などもいるのだから、そういう意味ではイメージに良い。
まぁ、そんなのを狙って吐くような馬鹿じゃないから、何も言わない。
軍師というのは大変なもんだ、と内心で思いながら台詞を生む。

「自惚れが酷いぜ眼鏡。いいから、とっとと活躍して来い。剣神(おれ)の出番を獲るんだから、精々派手にやって来い」

『……それはまた……剣神の出番となれば戦場の主役かい? 軍師としては、ちょっと間違っている気がするけどね』

まぁ、そこまで戯言を言えるんなら十分かと思い、苦笑で返す。
そこで、ネイトが会話やネシンバラの表示枠に不自然さに気付いたのか、会話に混ざる。

「……ネシンバラ? まさか、貴方───」

『Jud.僕も迎撃に向かっているよ。本当の所を言えば、僕じゃなくベルトーニ君にはしゃいで欲しかったんだけど、彼は彼で大忙しだ。まぁ、今回は相対戦だから軍師は楽でね。手が空いているから、行こうというわけなんだよ』

その言葉にネイトは少し、心配そうな表情に眉の形を変える。
そして、何か言おうとするネイトを遮る形で、俺が言葉を放つ。

「いいじゃねえか、ネイト。ネシンバラも男の子って奴だよ」

「い、いえ……男の子関係ありませんのでは?」

そういう事にしとけよ、と苦笑気味に伝える。
そこで改めてネシンバラの表示枠に向かい

「はしゃげよ男の子。男がはしゃがなくて、どーすんだよ。精々、爺、婆連中を疲れさせてやれよ。ただし、手抜くなよ? 遊びも仕事も何事も手抜いたら面白味が欠けるからな。やるなら、徹底的にしやがれ」

『相変わらずの狂った発言だ』

言葉に対してネシンバラの声の響きには苦笑が伴っていた。
しかし、否定しない所を見ると、つまり、そういう事なんだろうと思い、俺も笑う。

『Jud.副長にそこまで言われたなら、僕も頑張らざるを得ないね。ま、程々に頑張るよ。この三分間をはらはらどきどきしながらそこで待っていてくれ』

そこで、表示枠が宙から消える。
暫く、周りは無言であったが、俺がその雰囲気を笑いながら、周りを見回しながら口を動かす。

「な? あの眼鏡。ノリノリだっただろうが」









「英国の判断。どう思うかね元生徒よ」

白く、広い聖堂の奥の祭壇の前の階段に座っている
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ