女の意地
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間っていうのは鍛えたら、そこまで強くなるんだなぁとしみじみとちょっと人体の神秘を理解する。
「理由は、実力を隠すためか」
「恐らく……」
「まぁ、でも、総力戦になってくれたお蔭で三征西班牙の総長連合と生徒会の能力の大半は見えたから、プラマイゼロかな」
「前向きだな……」
「後ろを向いていても何も変わらないっしょ?」
確かに、とナイトの言い分を理解して、頷いていると、ふと艦の行く先。
東の方を見る。
そこには
「……英国か」
学生寮の方を飛んでいたナルゼもその光景を見ていた。
「何だか、ようやくって感じがするわね……」
さっきまでは、もうちょいだったはずだったのに、たったの一戦闘で思っていたことが一気に変わった気がする。
英国というのは鍾乳石の集まりのような浮上島国家である。
その土地は一枚岩ではなく、無数の術式稼働構造体で固めた四ブロックからなる浮上島。
別に初めてという訳ではないが、何回見ても飽きない光景ではある。
絶景と言ってもいい風景ではあると認めている。
初めてのホライゾンには丁度いいんじゃないかしら、と思うが、今はどうやら気絶しているようである。
厄介なものである。
大罪武装とされた自動人形と言うのは。
「総長もよく我慢してられるわね……」
まぁ、自分達がその事で馬鹿のことを心配するわけにはいかないだろう。
逆に、私達はしっかりしろと尻を蹴って嗾ける側でいいはずだ、と思い、頷き、そこであら、という声を作る。
英国側からの空から艦影が見えてきたのである。
水先案内の為の船と護衛艦だろうと思う。
そして、"武蔵"の声がアナウンスで聞こえ
『本艦武蔵はこれより、英国領海県内に入ります。英国周回軌道をとって速度を落とし、英国側の指示に従い、英国周回に向かいます───以上』
やれやれね、と溜息を吐いて、ようやくという感情を抑えてナイトの方に向かおうかしらと思っていたら
……ん?
違和感に気付いた。
違和感の正体は自分でもなく、武蔵でもなく、水先案内の為の艦ではない。
護衛艦の方である。
別段、護衛艦におかしいところがあるわけでもないし、護衛艦がいる事がおかしいわけでもない。
問題は護衛艦の質である。
艦の種類は明らかに高速型。
幾つもの砲を両舷に備え、術式帆はまるで槍のように前に尖らせている。
その武装や艦の質が明らかにレベルが高い。
物自体はありふれた感の付属物かもしれないが、一つ一つの装備の質が明らかに水先案内の為の艦を守るための艦ではない。
そして、最後の違和感はこれだ。
見た事はないが、別で、そう───年鑑か何かで見た気がすると思い、記憶を思い出した瞬間、違和感が嫌な予感に切り替わる
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