女の意地
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いますわ」
「それならいいんだけどな……」
疑うわけではないのだが、やはり油断はできない。
とは言っても、ミトツダイラの意見は尤もなので焦っても無駄という事であろう。
落ち着きが足りないな、と正純は思いながら、一息を吐く。
……だが、今回はどちらかと言うと凌げたと言ってもいい戦闘ではあったと思う。
奇襲の感知に付いては熱田が。
そして、それ以外の相対については押され気味な所もあったが、それは相手の実力が不明であったことも少し引いたらとんとんになると素人判断ではあるが思う。
直政の地摺朱雀はかなりのダメージを負ったが、それは極東の暫定支配によって戦闘系では無かっただけなので、どちらかと言うと大したものだと言ってもいいと思う。
副長戦も、そういう意味では良かった。
膠着状態ではあったし、そういう意味なら弘中・隆包の目的は達成していたと言ってもいいかもしれないが、それでもお互い同点の攻防であったと思う。
まぁ、でも、一応聞いておこうと思い
「ミトツダイラ。副長同士の攻防はお前から見たらどうだったんだ? 参考に聞かせて貰いたい」
「そうですわね……」
ミトツダイラは少し沈黙し、考えを纏め、こちらに改まって喋りかけてきた。
「はっきり言えば……お互いまだ本気でやっていない感じがしたので引き分けって感じがしますわね」
「……そうなのか?」
私からしたら二人とも全力全開でやっていた気がするが戦闘系からしたら、やはり違うと思われるのだろうか。
その疑問にええ、と前置きを置いたミトツダイラは続ける。
「今更思ったのですが……副長の能力は輸送艦などでの上での戦闘は不向きですわ。剣神の剣圧だけで、輸送艦が斬れるんですもの。足場がその内、持ちませんわ」
「まぁ、その分シュウやんはブーストの補助能力で機動力を補っていたから、あんまり表立っては見られてないけど……まぁ、ちょっと攻撃特化だという事は向こうも理解されたかなとナイちゃん思う」
途中でナイトも話に入ってきて、ミトツダイラの論を補強する。
む……と確かに思う。
熱田の能力ははっきり言って攻撃特化過ぎる。
加護の方も凄いと言えば凄いのだが、副長が持つ得物は実力に応じた武装である。そういう意味で言えば加護の方はあんまり無いものと見た方がいい。
だが、それを補って攻撃力があり過ぎる。
斬撃特化の剣神だからと言えば納得できるが、ちょっと物騒過ぎる。
まぁ、それは熱田とこれからの私達の状況製作次第かと思い、話を続ける。
「じゃあ、弘中・隆包の方は?」
「……本気ではあったと思います。ですが……」
全力ではなかったという事か……
口には出さなかったミトツダイラの言葉を脳内で作り上げて、少し溜息。
霊体とはいえ人
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