女の意地
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「でもさぁ」
「あん?」
「逆に男として、そういうのに慣れちゃ駄目じゃないのかなってナイちゃん偏見で思うんだけど、そこら辺はどうなのかな?」
「……む、一理あるな……」
自分の言葉に何か男として考える事があったのか、少しだけ悩むように顎に手をつけながら、彼はまるで閃いたというような表情を浮かべたかと思えば、表示枠を操作して何かを書いた。
書き終わった後のシュウやんは物凄く何かをやり遂げたような顔であった。
「あれ……? シュウ君から何か連絡が来てます」
浅間は喜美と一緒に被害状況などを確認している最中に急に幼馴染からの連絡が来たので、少し驚いて立ち止まった。
別に珍しくはないのだが、戦闘の後にというのが、何となく珍しさを感じさせる。
こちらの気の持ちようだというのは解っているのだが、まぁ、そういうのは人の感受性によるものなんでしょうねと思っていると、喜美がこちらに変な笑顔を見せて、一言。
「ラブレター?」
「ぶっ!」
余りにも直球な一言に考える前に噴いてしまう。
げほっ、ごほっと急き込んでいる私を心底楽しんでるわ〜と言う顔がむかついて、慌てて、息を整える。
落ち着くんです、浅間・智。
これは、喜美の何時も通りの攻撃です。攻略方法としては、まずは落ち着く事です。
「あのですね……いいですか、喜美?」
まずは自分を落ち着かすようにゆっくり前置きの言葉を吐いて、狂った空気も落ち着かせる。
そこで、結論だ。
「何でこんな場面で、そんな物をシュウ君が送ってくるんですか? 理屈で考えておかしいでしょうが」
「あの愚剣が理屈で考えられるような生き物なの?」
「……」
暫く、沈黙して考えた後に、速攻で結論。
……あれ!? 速攻で論破されましたよ!?
余りにも直球で隙のない返しに、汗がだらだらと流れてしまう。
え……でも、いや……シュ、シュウ君でも流石にそんなこんな状況でこ、ここ告白なんてするような突拍子まないような事をす、するはずないですよ、ね……?
そして、つい、その事を考えてみて顔が赤くなってきているのが解る。
いや、だって、あの斬る事しか考えていないシュウ君がそんな事を考えているはずがないと往生際悪く考えるが、頭は勝手に自分の期待した世界を作ってしまっている。
その姿を喜美が楽しそうに笑っているのを見て
う……
顔がまた赤くなってしまう。
喜美の策略であるという事は理解しているのだが、体の反応を理性で止めるのは難しい。
せめてもの、抵抗として喜美から体を逸らして、顔を見えないようにして
「……ん」
表示枠を恐る恐る見てみた。
少々、我ながらドキドキし過ぎると思ったのだが、次
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