守護者、墜ちる
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俺天才とか錯覚するもんな)
だったら本気を出せと言われるが余計な興味を持たれるのは嫌だから。
『ただでさえ、ビーム兵器はどこの国も欲していますし………』
(あはは……)
乾いた笑いしか出てこなかった。
(さてと………行きますか………)
『ですね……』
俺に迫ってくる一体のVTシステムをぶらし、斬り捨てた。というかこの方法は普通の相手にも有効で、これを使うと距離を開けたくなるようなものだ。なにせ、シールドエネルギーさえも減らされるんだからな。
「ああ、もう! 邪魔なんだよ!」
荷電粒子砲が一体を捉え、斬りかかろうとしたが避けられる。さすがはVTシステム―――って、待てよ。
(やっぱり強化されているぞ、あれ)
『ですね。気を付けてください。後ろ!』
―――ギンッ
咄嗟に回って《斬魂》で弾く。今のは危なかった。明らかに俺の心臓を狙っていた。
鎖を展開して捕まえようとするが、逆に動きを翻弄されるだけだ。
「あ、これは……ヤバいかも」
『しっかりしてください! あなたは―――マスター』
気が付けば、俺の腹部には光の刃が刺さっていた。
「………あれ、何だ……これ………」
そして引き抜かれ、そこから大量の血が落ちる。
「………ああ、これ……死んだな……」
そのまま、俺は海に落ちた。
■■■
「……ディアンルグ―――風宮君の反応、ロストしました……」
戻ってきた真耶の声に、千冬はその場に膝をつく。
「………捜索隊だ。捜索隊を出せ」
「わ、わかりました……」
やっと絞り出せたのはそれだけだった。
■■■
―――とある天災side
「………」
彼女はただ、呆然としていた。
落とされたのは合計で5体。それはVTシステムだけの数で、福音も入れて合計で36機は落とされた。それも、一人と出所不明の468個目のISコアを搭載した謎のISに。
「偽物だけど、ちーちゃんを………5人も……」
連携はちゃんと取れていた。それなのに、5人。未完成とはいえこれだけの戦果を上げたのだ。
「………でも、これでやっと、私の悲願を達成できる………」
その場で彼女の高笑いが響いた。
だからだろう。
(くだらんな………)
近くにいたのに、感じられなかった。いや、感じることができなかった。
何故ならそれはただの人間ではなかったから。
(まぁいい。これだけの証拠を集めれば―――この女が怪しまれるのは時間の問題だ)
そうほくそっ笑ってその者はそこから消えた。
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