守護者、墜ちる
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「な、何だこれは!?」
風花の間で千冬の驚愕の声が響く。
その理由は一つの小型端末から始まった。
時はほんの少し前に遡る。
風花の間の前に物音がしたので千冬は何か見てみると、そこには無造作に置かれた小型端末があった。
特に罠はなく、起動させてみるとそこには10体のVTシステムの猛攻を防ぎ、いなし、避けるディアンルグを駆る祐人の姿が映し出されていたからだ。
「織斑先生、どうしたんですか?」
千冬は躊躇わずに真耶に見せると、声は出さなかったが驚きのあまりに目が開いていた。
千冬は内ポケットからメモ帳から今から依頼することを紙に書いていると、
「風宮君! 今すぐ戻ってください! 風宮君!」
「何をやっているんだ、山田先生」
大抵の小型端末ではデータにより情報のやり取りが主で通信には用いられない。なのだが、
「え? 風宮君に通信を試みているんです」
「………普通はできなくないか?」
「どうやらこれは出来るタイプみたいですよ。ほら、ここにマイクがありますので……」
言われて気づいたが、本当にあった。……かなり小さかったため千冬には見えなかったみたいだが。
「風宮、聞こえるか? 聞こえるなら今すぐ撤退しろ」
だが祐人はまったく返事をしなかった。おそらく集中しているからだろう。
「山田先生、精々を何人か連れて風宮のフォローに向かってくれないか」
『―――必要ない』
いきなり端末から声が聞こえ、その場にいた全員がそっちを見る。
「何をしている風宮! 今すぐ撤退しろ!」
『撤退させた欲しかったらあんたが今すぐ篠ノ之束を殺すんだな。そうでもしないとたぶん無理だよ』
「何?」
『詳しいことを言えるのはそれだけ。後援軍なんていらない。周りを飛ばれたら迷惑なだけだ』
―――ブチッ
それを最後に通信は切れ、同時に映像も切れた。
「山田先生。整備に明るい先生を集めてこれを用意してくるように伝えてくれ」
「え? あ、はい」
千冬から紙を受け取った真耶はそのまま外に出ていった。
■■■
―――祐人side
(ヤベェ。疲労が半端ない………)
VTシステムを数機落としたところで俺の疲労はすでに極限に達していた。
エネルギー補給器《ヴァンピーア》を駆使してエネルギーを吸い取って弱ったところを倒しているが、それでも4体。なんとか体制を保ってはいるが、それでも苦しい。
『援軍はいらないと言ったのが仇になりましたね………』
(………よく考えたら、4体って凄くね?)
『完全とはないとはいえ、VTシステムを無効化していますしね。しかも本気じゃないですし』
(……だよなぁ。普通に考えたら
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