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我が剣は愛する者の為に
陳留到着
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特に一刀が天の御使いである事を知ると、少しだけ驚いていた。

「最近、天の御使いが人助けをしながら旅をしているって、噂を聞いたけど貴方達だったのね。」

噂の方は華琳の耳にまで届いていたようだ。

「彼らについては分かったわ。
 次は私達の事について話し合いましょうか。」

「えっ、私達?」

何の話をするのか全く分からない。
華琳は立ち上がると、俺の胸ぐらを掴んで言ってきた。

「昔、私達が約束した事を覚えている?」

「お、おう。」

「縁がここに来た時、私は縁が私に仕えに来たと思ったのよ。
 それなのに客将として仕えるだなんて、どういうこと!?
 女性を何人も連れて生きて!?」

「女性って、星達の事か?
 それはあまり関係ないような・・・・」

「ともかく、どうして客将として仕えた理由を教えなさい!」

真剣な眼差しで俺を見てくる。
元より答えるつもりだったので、俺は答える。

「王になるためだよ。」

「王、ですって。」

「大切な人や苦しんでいる人を守る為に、俺は王になるって決めたんだ。
 その為にはどこかに仕えて独立を宣言し、手柄をあげて、土地を貰い、勢力を広げるほうが早いと思っただけだ。」

「そして、その仕える所を私に選んだ。
 つまり、この曹孟徳を利用するつもり?」

「否定はしないよ。」

しばらくの間、俺達の間に無言の空気が流れる。
すると、華琳は小さくため息を吐いて、胸ぐらを掴んでいた手を離す。

「という事は、いずれ貴方と戦わないといけなくなるのね。
 命を懸けて。」

「うん?それはおかしいぞ。
 確かに戦う可能性はあるけど、華琳の命を奪うつもりはない。」

俺の発言を聞いた華琳は眉をひそめる。
そのまま言葉を続ける。

「華琳と戦う事になっても、俺は絶対にお前の命は奪わない。」

「私が縁を殺しにいくつもりでも?」

「それでもだ。
 この国を自分の物にして平和にすれば、お前達を守りやすいと考えたから王になるって決めた。
 それなのに、お前の命を奪ってどうする。」

「私が頑なに自分の意思を曲げなかったら?」

「曲げるように状況を作るし、あらゆる手を尽くす。
 それでも駄目なら、さらに考える。」

「その考えた結果、縁の兵や大事な人が失うかもしれない。」

「そんな事はさせない。
 そうなる前に絶対にお前を屈服させる。
 俺はそんな未来を作る為に、人を殺すって決めたんだ。」

「ぷっ・・・あはははははは!!!!」

俺の覚悟を聞いた華琳は笑い始めた。
何だか、馬鹿にされた気分で少し不機嫌になる。

「ご、ごめんなさい。
 別に縁の覚悟を笑った訳ではないのよ。」


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