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ドラド
第二章

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「飼えたらね」
「それでいいんだ」
「そう思っていて」 
 それでというのだ。
「今飼えてね」
「それでいいんだ」
「満足しているよ」
 こう言うのだった。
「それこそ何一つとしてね」
「不満はないのかい」
「色が薄くとも」
 トレードマークの金色のそれがというのだ。
「全くね」
「問題ない」
「ドラドなんだよ」
 飼いたかったこの生きものだからだというのだ。
「それならだよ」
「何の問題があるか」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「一体ね」
「そう言うんだ」
「そうだよ」 
 まさにというのだ。
「本当にね」
「そう言うか、それなら」
 客は苦い顔になって述べた。
「私から言うことはないよ」
「そうなんだね」
「うん、大事にしているね」
「これ以上はないまでにね」
「それなら」
 もうだった。
 客は言わなかった、そしてトニーニョは。
 ドラドを飼って愛情を注ぎ続けた、それで言うのだった。
「ではね」
「これからもですね」
「この娘とだよ」
 家に来た客今日は若い黒人の自分の銀行で勤めている銀行員に話した。
「一緒にいるよ」
「その娘というと」
「うん、雌でね」 
 すぐに答えた。
「名前をイザベラっていうんだよ」
「名前もあるんですね」
「そうだよ、これからも家族として」
「ドラドと一緒にいますか」
「そうしていくよ」
「そうですか」
「ドラド自体が好きで」
 そうしてというのだ。
「今はこの娘自体が好きだから」
「それで、ですね」
「ずっと一緒にいるよ」
 こう言うのだった、そうして水槽の上からご飯をあげてその食べる姿を見てさらに笑顔になったのであった。


ドラド   完


                   2024・10・6
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