第二章
[8]前話
「多分俺も」
「ああ、お前騒ぐタチじゃないからな」
だからだとだ、鹿野は稲垣に言った。
「だからな」
「それでかな」
「尚更静かだな」
「そうなるな、まあ静かならいいか」
「騒がしくて寝られないよりいいだろ」
「ずっとな」
稲垣もその通りだと答えた。
「それは」
「そうだろ、だったらな」
「それならか」
「この静かさに感謝してな」
そうしてというのだ。
「よく寝ような」
「そうするな」
稲垣もそれならと応えた、そうしてだった。
この日は二人はそこで別れそれぞれの家に帰った、そして次の日職場で一緒に仕事をしたのだった。
だが十月だ、秋祭りの時になると。
「凄いな」
「この時はこうなんだ」
稲垣は自宅に鹿野を呼んで彼と一緒に水炊きを食べつつ言った。
「賑やかなんだよ」
「祭りでか」
「夜もね」
「そうなるんだな」
「お店も多かったね」
「出店な」
鹿野は稲垣に言われここに来るまでに見たものから答えた。
「凄かったな」
「お祭りの時はこうなんだ」
「昼でも賑やかか」
「そうなんだ」
こう言うのだった。
「これが」
「成程な」
「それでこうした日は」
水炊きの鶏肉を食べつつ話した。
「こうして」
「飲むんだな」
「出来たら人を呼んで」
そうしてというのだ。
「俺も賑やかにするよ」
「そうなんだな」
「一人なら」
その時のことも話した。
「出店のもの買ってな」
「それを肴に飲むんだな」
「ああ」
焼酎を飲みつつ話した。
「こうしてな」
「そうなんだな」
「じゃあ今夜はな」
「飲むか」
「付き合うか?」
「だから来てるんだよ」
これが鹿野の返事だった。
「いいな、それじゃあな」
「ああ、飲んで食ってな」
「そうしてな」
笑顔で話してだった。
二人で飲んで食べた、鹿野はこの日は稲垣の家で泊った。朝起きるともう静かになっていた。そして二人で出勤したのだった。
サイレントナイト 完
2024・11・12
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