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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
集結、そして新たなる敵
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別らしい」
 「それではわし等の中に入るのか?そうだとすればあ奴が最高幹部か」
 「いや、最高幹部はもう決まっている」
 不意に首領の声がした。
 「首領・・・・・・・・・」
 一同畏まる。首領はさらに言葉を続けた。
 「バダンの大幹部及び改造魔人達を束ねる最高幹部、その者は・・・・・・」
 モニターが消える。真っ暗闇になった部屋に一人の男が現われた。
 「この男だ」
 「き、貴様は・・・・・・!」
 その男の姿を見て地獄大使の声が震えた。
 「久し振りだな、地獄大使。いや、ダモンよ」
 驚きと怒りの表情の地獄大使を前に彼をダモンと呼んだその男はニヤリ、と笑った。

 「・・・信じられん。あれだけのダメージがもう回復してしまっているとは」
 治療室の中で横たわるゼクロスを見ながら白衣の男が驚嘆の声を漏らした。
 「最早何処にも破損はありません。全快しております」
 助手の一人が報告した。
 「これがバダンの最強の改造人間、ゼクロスか。怖ろしい力だ」
 「これだけの回復力は今まで見たこともありません。ガランダーのキノコ獣人以上です」
 「そうだろうな。おそらくこれまでのどの改造人間よりも強いだろう。・・・・・・しかし」
 「しかし・・・?」
 その言葉に助手は突っ込んだ。
 「感情が全く見られない。改造人間とはいえこの様な者は見た事が無い」
 「だからこそ最高の改造人間ではないのですか?感情があればそのぶん余計な事をしてしまうでしょうし」
 「うむ、しかしまるで機械だな」
 白衣の男は表情を暗いものにした。
 「博士」
 助手はここで表情を厳しいものにした。
 「あまりその様な事は仰らない方が。何処で誰が見聞きしているかわかりませんよ」
 「・・・そうか。そうだったな」
 「はい。私はここで話した事は忘れますし」
 「そうだな。私達はここで何も話はしなかった」
 「そうです」
 二人はゼクロスの検査を再開した。それが終わるとゼクロスは無言のまま部屋を後にした。
 (本当に機械だな、あれでは)
 博士は今度は口に出さなかった。ただ心の中で呟いただけだった。
 
 ゼクロスはそのまま廊下を歩いていく。そしてある部屋の前に来た。
 入口の側のボタンを押す。シャッターが左右に開く。ゼクロスは部屋の中に入っていった。
 「お帰り、ゼクロス」
 ベッドとテーブルの他は何も無い部屋だ。装飾等は一切無い。がらんとして無機質な部屋だ。
 その中に一人の壮年の男性がいた。黒い髪を持ち眼鏡をかけたアジア系の男である。
 ゼクロスは相変わらず一言も発しない。ただ無言で部屋の中央に歩を進める。
 彼の顔が変化した。仮面が変質していく。
 口が変わった。人の口になる。引き締まった口許だ。
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