集結、そして新たなる敵
[12/15]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
とだ」
「くっ・・・・・・」
その通りだった。それを気力で支えているのだ。
「次に会う時を楽しみにしている。その時こそ君達の最後だ」
その声と共にゼクロスは跳んだ。そして何処かへ姿を消した。
「行ったか・・・・・・」
一号がゼクロスが去ったのを見届け呟いた。
「ああ。それにしても怖ろしい奴だった」
二号が言った。その言葉に他のライダー達は沈黙した。
後ろから滝達の声がする。助けに来たらしい。
「それにしても圧倒的な力だな」
大幹部と改造魔人達が暗い一室で立ったままモニターを見ている。その中の一人が呟いた。
身体の右半分は機械である。チューブが目につく。
左半分は生身の身体である。右が青、左が赤のその身体はまるで冥界の女王ヘルの様である。下半身には黒いズボンとブーツを履いている。
頭髪の無いその頭には巨大な金属の飾りがある。そしてその中央に紅い宝玉が埋め込まれている。彼の名はマシーン大元帥、デルザーの改造魔人の一人である。
エジプトの歴史は古い。それを示すものとしてピラミッド、象形文字、岩石男爵の偉大な祖先スフィンクス等がある。
その一つとしてミイラがある。これはファラオや神官達の遺体を独自の技術により保存処置を施したものだ。
かって偉大なファラオがいた。名は歴史には残っていない。だがその時代に生きた人達にとって忘れられない偉大な王であった。
法を定め河を治めた。エジプトの歴史はナイルにより築かれた。そのナイルを治めたのである。そして畑を開き皆の腹を満たした。葡萄や麦の酒で喜びを教えた。
文化を興し人としての豊かさを教えた。獣を討ち侵略者を退けエジプトの土地を広げた。名君であった。
その為彼が死んだ時民達は嘆き悲しんだ。遺体は慣例によりミイラにされ巨大なピラミッドに置かれた。そして砂漠の中に多くの宝と共に眠ることとなった。
時代は流れ彼の事は歴史の中に埋もれてしまった。人々はその名を忘れた。ただ偉大な一人の王がいたという言い伝えのみが残った。だがそれは最早伝説であった。
更に時代は流れた。墓泥棒達も知り得ない砂の奥深くに彼の墓はあった。その中には誰もおらずただ静かに眠っていた。
だがある時彼は目覚めた。ミイラとは霊魂が戻った時の為に戻るべき身体を残す為に為されるものである。そのミイラに彼は戻ってきたのだ。
彼は墓を出砂の海から出てきた。そして人の世に再び現われたのだ。
彼は自分の身体の事に気付いていた。人の王にはなれないと知った彼は夜の者達の王となった。
その彼の下に一人の異形の者がやってきた。ある者の使者だという。
王は彼と会った。彼は言った。王の力を欲しい、と。
その使者の主は欲していた。更なる力を。その為に王を自らの下へ誘っているのだ。
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ