第一章
[2]次話
カラフルロード
道の色は何色か。
「黒ですよね」
「そうだね」
「若しくは青です」
市役所の助役山口道三は市長の早乙女美貴に答えた、二人共初老で白髪だ。山口は大柄ででっぷりと太って眼鏡をかけていて早乙女は中背で痩せている。
「その二色ですね」
「アスファルトの色で」
「そうです」
「若しくは」
早乙女は一緒に市役所の食堂でうどんを食べている山口に言った。
「一瞬紫になる」
「夕方に」
「アルファルトが青なら」
この色ならというのだ。
「そこに夕方の赤が入って」
「紫になりますね」
「そうした感じだね」
「その通りですね」
「うん、しかしね」
「しかし?」
「今度駅前の商店街の歩道をあらたに整えるけれど」
それでというのだった。
「そこをね」
「何かありますか」
「色を変えようか」
こう言うのだった。
「そうしようか」
「道の色をですか」
「その黒や青じゃなくて」
「アスファルトの」
「アスファルトも工夫をしたら」
そうすればというのだ。
「他の色になる、若し無理でも」
「アスファルトの色を変えられなくても」
「煉瓦の道にして」
そうしてというのだ。
「その煉瓦の色をね」
「色々な色を入れて」
「それでカラフルな道にしようか」
「あの商店街も観光地で」
「公園に行く為のね」
「それで、ですね」
「あそこをね」
その道をというのだ。
「ここはね」
「華やかにして」
「道自体もね」
「観光地にしますか」
「商店街もね」
「道もですか」
山口は早乙女の話をここまで聞いて言った。
「いや、それはです」
「考えなかったかな」
「はい、ですか」
山口はうどんを食べつつ答えた。
「発想として」
「いいかな」
「そう思います」
早乙女に笑顔で答えた。
「では他の職員それに市議会にもです」
「聞いてね」
「やっていきましょう」
「やっぱりね」
早乙女は笑って話した。
「何でもあれだよ」
「工夫ですね」
「そう、それ次第でね」
「色々変わりますね」
「だからね」
そうしたものだからだというのだ。
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