第二章
[8]前話
「実はね」
「もう一つのDDTって」
「そうなのよ」
「それでどんな技?」
真帆にあらためて尋ねた。
「それで」
「じゃあ今からやってもらうわね」
「ええ」
それならとだ、マサカは頷いてだった。
「見せてもらうわ」
「それじゃあね」
真帆はマサカの言葉に頷いてだった。
プロレス部の部員達にDDTをしてくれる頼んだ、すると。
部員達は快諾してそのうえで対している相手の頭にフロントヘッドロックで片脇にい抱えてそこからだった。
後ろに倒れ込んで相手の頭をリングに叩きつけた、真帆はそれを見せて一緒に観ていたマサカに尋ねた。
「これがよ」
「プロレスのDDTね」
「そうなの」
「こうした技なのね」
「プロレスって色々な技があって」
それでというのだ。
「中にはね」
「こうした技もあるのね」
「そうなの」
こう話した。
「これがね」
「成程ね」
「それで名前の由来は」
技のそれはというと。
「実際にね、殺虫剤のね」
「DDTね」
「そこからきてるの」
こう話した。
「これがね」
「やっぱりそうなのね」
「そう、そしてね」
真帆はさらに話した。
「これフィニッシュホールドだから」
「決め技ね」
「だから威力もね」
それもというのだ。
「高いのよ」
「頭打ち付けてるし」
「だからね」
「そうなのね、わかったわ」
頷きつつだ、マサカは真帆に話した。
「これがプロレスのDDTだって」
「わかってくれたら何よりよ」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「この技リングの外でしたら駄目ね」
このことは真顔で言った。
「間違っても」
「プロレス技全体がね」
「頭打ち付けるから」
だからだというのだ。
「コンクリートの上とかでしたら」
「死ぬわよ」
「そうね、そのことは気を付けないとね」
「絶対にね、じゃあ今からね」
「それぞれの部活ね」
「そっちに行きましょう、お手数かけました」
最後は二人でプロレス部の部員達に技を見せてくれたお礼を言ってだった。
二人はそれぞれの部活に出た、マサカはそれからプロレスに興味を持つ様になった。そして大人になりケニアに戻ってから仕事の傍らプロレスを伝える様にもなった。それはこの時がきっかけであった。
DDT 完
2024・12・13
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