第二章
[8]前話
母にだ、よく煮込んでいて人参にお葱、鶏肉を入れて生姜をきかしたうえで卵を閉じた雑炊を晩ご飯に出してもらって言われた。
「今はゆっくり休んでね」
「お仕事頑張ったから」
「ええ、それであんた胃も痛かったでしょ」
「胃潰瘍まではいってないけれど」
それでもだ。
「荒れてるわ」
「ストレスね、だからね」
「雑炊ね」
「これ食べてね」
「ええ、お腹も休めるわ」
「そうしなさい、それでね」
雑炊を食べる私にさらに言ってきた。
「お家でゆっくり寝て」
「体も心も休めるわね」
「ずっと働きづめだったから」
それでというのだ。
「暫くね」
「有給かなり取ったしね」
「休みなさい」
「そうさせてもらうわ」
こう言ってだった。
私は雑炊を食べた後はシャワーではなくお風呂にじっくりと入ってだった。
それからまた寝た、一週間じっくり休むと身体も心も癒された。そして有給が終わるとまた会社に出た。
この時の頑張りが評価されて私は昇給したし会社での立場もよくなった、苦労したかいがあると心から思った、それでだった。
この時の大変なことはいい思い出になった、あの時頑張ったからだと思えた。それで母に結婚してからもこのことを話したが。
「けれどあの時あんた見るからに疲れてたから」
「心配だったのね」
「大変な時辛くしても頑張っていたら」
そうであったらというのだ。
「傍から見ている人は心配になるのよ」
「だからよくないのね」
「そう、人を心配させないこともよ」
「大事ね」
「診ている方も辛いのよ」
こう私に言うのだった。
「自分も辛いけれど見ている方も辛い」
「そういう状況にさせないことね」
「そうよ、いいわね」
「気を付けるわ」
母に約束した、そして実際に周りに心配をかけない様に気を付けることにしていった。辛い時それは自分だけじゃないとわかったからこそ。
TURAI・TURAI 完
2024・10・27
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