暁 〜小説投稿サイト〜
革命を知らない愚か者
第四章

[8]前話 [2]次話
「バケモノになったりするでしょ」
「強くなって」
「自我を失ったりね」
「あるある展開ね」
「そうなるでしょ、本当にね」
 まさにというのだ。
「革命はね」
「起こらないことね」
「相当切羽詰まった状態でないと」
 さもないと、というのだ。
「急に変わることはね」
「よくないわね」
「そういうものよ、あんたも大勢人が死んで」 
 それも見実でだ。
「逆に自由も平等もなくなって」
「独裁者が出て来るなら」
「嫌でしょ」
「特に腐った馬鹿が独裁者になるならね」
 自分しかない様なというのだ。
「もうね」
「そう思うのが普通よ、本当に革命はね」
「起こらないことね」
「徐々に変えていくことよ」
 こう妹に話した、テレビを観てジュースやお菓子を楽しみつつ。そうした話をしてそうしてだった。
 亜美は話の後でこの日は自分の部屋に戻って寝た、だが。
 彼女が大学生になった時にだ、その愚か者を見た。とある漫画で全く無知なキャラが叫んでいたのだ。
「革命だ革命だ!」
「こいつ馬鹿よね」 
 同じ講義を受けている友人に冷めた目で話した。
「革命起こす奴がね」
「ええ、あからさまな屑よね」
 友人も言った。
「自分しかなくてね」
「国を喰いものにしようとしている」
「敵国ともつながっている」
「底意地悪くてお金にも女の人にも汚い」
「嘘ばかり言って思いやりも恥も外聞もない」
「ガチのよ」 
 亜美は言い切った。
「外道じゃない」
「作者さんもネットで言い切ってるしね」
「それも政治家としての能力はゼロ」
「そもそも国のことなんて一切考えてないし」
「漫画の中でもこれまでのあらすじ見ると嘘ってわかるのに」
「こいつ全くわからないでね」
「革命だってはしゃいでいるわね、こいつはね」
 そのキャラを軽蔑しきった目で見て言った。
「死ぬわね」
「作品の中で特に無残にね」
「死ぬわね」
「そうなるわね、主人公達は」
 そちらはというと。
「もうわかってるから」
「革命起こす奴がどうか」
「だからね」 
 それでというのだ。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ