宙への港の電人
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アメリカ・フロリダ州。この州はアメリカ南部に位置し地域性の強いアメリカにおいても独特の雰囲気を持っている。キューバからの移民が多く、とりわけマイアミはキューバ系アメリカ人達が多い事で知られている。通称リトル=ハバナとも言われている。州都ジャクソンビルは北部にあり南北で雰囲気がかなり異なっている。
この州が世界的に有名である理由は州の丁度中央部、東海岸大西洋のすぐ側にあるケネディ宇宙センターが置かれているからである。ケープカナベラルという都市からすぐの場所にあるこのセンターは スペ−スシャトルの発射を行う事からNASAの宇宙関係の施設の中でもとりわけ有名である。
このセンターに向かう一台のジープがあった。乗るのは一人のアジア系の若者。赤いシャツの上に白いジャケットを羽織り黒いズボンを履いている。滝和也である。
「しかしリビアから帰ったと思ったら早速任務とはね」
ジープを運転しながらぼやいている。
「アメリカ国内つったってフロリダ半島じゃねえか。ニューヨークからどれだけ離れてると思ってんだよ」
溜息混じりに苦笑した。
「まあ良いけどな。若い奴をあまり危険な目にあわせたくはねえ」
そうこう言っているうちにケネディ宇宙センターの正門に着いた。身分証明書を見せジープで中に入る。
中は最先端の技術とコンピューターを満載した施設で満たされていた。白衣を着た科学者や技術者、その手伝いをする者達が動き回っている。白人だけではない。アジア系や黒人も多くいる。
「流石は宇宙開発の中心地の一つだな。色んな国から優秀な人材が集まっている」
ジープお駐車場に止めある施設に入る。そこは月面開発センターであった。
入口にはガードが立っていた。警備にも細心の注意を払っているこの宇宙センターであるがこの施設はとりわけ警備が厳重である。
「よっぽど重要な研究をしているんだな」
滝はそう思った。科学者の一人に案内され中に入る。応接間に案内された。
「ようこそ、ケネディ宇宙センターへ。お待ちしていました」
そこには一人のアジア系の青年が待っていた。
耳を半ばまで隠した少し癖のある黒髪にやや長い顔、太く濃い眉に穏やかな黒い瞳。白衣とクリーム色のズボンの下からでも科学者には似つかわない鍛えられた身体が見える。彼の名は沖一也、仮面ライダースーパー1である。
国際宇宙開発研究所の科学者であった両親の下に生まれた。両親は彼が幼い頃に事故で亡くなった。身寄りの無い彼を両親の親友であったヘンリー博士が引き取った。妻も子も無い博士は彼を実の子同様に可愛がり育てた。
成長するにつれ彼は自分の両親について考えるようになった。そしてその夢を知り息子である自分がそれをかなえようと決意した。
彼は大学を卒業後アメリカ国際宇宙開発研究所に入っ
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