宙への港の電人
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「ヘンリー博士が開発してくれたんです。俺の為にって」
微笑んでそう語った。
「ヘンリー博士?ああ、宇宙開発の権威の。確か御前さんの育ての親だったな」
「はい。宇宙開発には補助のマシンも必要だって言ってくれて。凄いんですよ、無線機やレーダーまで搭載していますから」
「おいおい、そりゃあ凄いな。まるで動く基地だな」
「宇宙には何がいるか分からないからって。俺の為に寝る間も惜しんで開発してくれたんです」
遠くを見る様な優しい目で語った。
「・・・・・・そうか、いい人だったんだな」
それを見た滝の顔も優しいものになった。
「ええ。身寄りの無くなった俺を男手一つで育ててくれましたしね。あの時の暖かさは今でも憶えていますよ」
「・・・・・・・・・それはいいな。大切な思い出だろう」
「はい・・・・・・・・・」
滝は思った。彼のその澄んだ目と夢を諦めない心は博士の慈愛によるものだと。素晴らしい人との出会いが彼の人間性を形作ったのだ。
「だからこのセンターは絶対守りますよ、命にかえても」
沖は顔を引き締めた。
「ここには博士の夢が残っているんです。人類を宇宙に旅立たせたいという博士の夢が」
「・・・・・・だな、俺もそれに微力だけど協力させてもらうぜ」
「・・・・・・はい。ん!?」
Vジェットのレーダーが反応した。その時だった。何者かが二人を迫撃して来た。
「むうっ!」
滝はジープを左右にドリフトさせそれをかわした。沖のVマシンもそれに続く。
だが敵の攻撃は執拗だった。Vマシンが爆発に巻き込まれた。
「沖ィ!」
滝が叫ぶ。だが沖もVマシンも無事だった。爆煙の中から彼は出て来た。
しかしその姿は変わっていた。Vマシンは翼を広げた様な形に変形しており沖も変身していた。
銀の黒い模様が入った仮面、赤く細めの両眼に黒いバトルボディ。仮面と同じく銀の胸と手袋、そしてブーツ。五つの腕を持つライダー、仮面ライダースーパー1である。
「あれがスーパー1か」
滝はジープを止め後ろを振り返りつつ呟いた。話には聞いていたがその目で見るのは初めてだった。
「噂に違わず格好良い奴だな。さてどんな闘い方を見せてくれるんだ?」
スーパー1は両腕をその胸の前でクロスさせた。
「チェーーーンジ、エレキハァーーーンド!」
腕が光る。腕が銀色から青く変わっていた。その青い腕は甲の部分が金色で五色のメーターが着けられていた。
「エレキ光線!」
左腕から電撃を放った。それは砲弾が飛来してきた方向へ一直線に飛んで行く。
「ギエエッ!」
戦闘員の一人が爆発に吹き飛ばされる。迫撃砲も一緒だった。
「あいつがやったのか」
それを見て滝は言った。
「そうですね、奴の他にもここに潜
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