宙への港の電人
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造は失敗し彼の改造後の姿は二目と見られぬ醜いものになってしまった。
彼は国際宇宙開発研究所を逃げる様辞めた。そして世に絶望して自ら死を選ぼうとした。その時だった。
彼の目の前に一人の老人が現われた。その名はテラーマクロ。彼の力を認め自らの組織に誘ったのだ。
その誘いに彼は従った。もう普通の世界には住めないという事は自分自身が最も良くわかっていた。こうして彼は闇の
王国に入った。
ドグマにおいて彼は大幹部の一人に列せられた。その冷静沈着な指揮と理知的な頭脳により次々に功をあげた。そしてテラーマクロの片腕とさえ言われるようになった。
テラーマクロと悪魔元帥が対立し組織が分裂した時には他の幹部達の誘いも断りドグマに残った。自らを拾ってくれたテラーマクロへの恩義の為である。
ドグマの最高幹部として彼は常に陣頭で指揮を執った。冷静で理知的な男である。
「はい、リビアより滝和也が来ました」
「そうか、やはり来たか」
その報告にメガール将軍は静かに頷いた。
「どうやら我々の存在を感づいている様だな。そうでなければここまでは来ない」
「如何なさいます?」
戦闘員が尋ねた。
「魔神提督に伝えよ。まずはスーパー1を誘き出し宇宙センターから離してくれと。それから磁石団長にも連絡してくれ」
「はい」
続けて指示を出す。
「スーパー1が宇宙センターを離れた後に襲撃をかけるようにと。それまでは自重して欲しいとな」
「わかりました」
戦闘員は敬礼し退室した。将軍は作戦室のモニターに映し出された宇宙センターとその近辺のマップを見た。
「スーパー1は手強い、周到に策を練らねばな」
そこに映されているこちらの戦力の配置も視野に入れつつ呟いた。
「今度は負けん・・・・・・」
将軍はまた呟いた。暗い部屋にその全身がシルエットの様に浮かび上がっていた。
滝と沖は宇宙センターの中を見て回っていた。敵の襲来時に何処に潜みそうか、何処から来る事が予想されるか、実際に見て把握ひておく為だ。
「こうして見ると広いな、ここは」
滝はジープを運転しながら言った。
「だから見学ツアーなんかはバスを利用するんです」
沖はバイクに乗っている。流石はライダーの一員である。
「そうか、アメリカならではだな。それにしても沖よお」
滝は横目で沖のバイクとちらりと見ながら言った。
「何でしょう?」
「ハーレーダビットソンとはまたえらく派手なもんに乗ってるな」
白を基調としたかなり大型のバイクである。横にもかなり大きく重量が凄そうだ。
「これですか?ハーレーじゃないですよ。Vマシンっていうんです」
沖は笑って言った。
「そうか?外見なんかFLH1340にそっくりだけれどな」
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