宙への港の電人
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変わり果てた姿に絶望した。そして美しいスーパー1に激しい憎悪を燃やしたのだ。
彼等の死闘は続いた。そして彼は奥沢正人ではなくメガール将軍として最後を遂げたのであった。
その時の事が脳裏に浮かぶ。そして今その宿敵が目の前にいるのだ。
「今回の闘い、見事だった。おかげで北米の我々の作戦は失敗に終わった」
更に言葉を続ける。
「だがこれで終わりではない。我々の真の計画はこれから始まる」
「・・・・・・・・・」
スーパー1は沈黙を守っている。それに対し将軍は言葉を続ける。
「我々の作り出した最強の戦士により貴様も他のライダー達も滅び去る事になろう。だがスーパー1よ、貴様は違う」
キッとスーパー1を睨みつける。
「貴様は私が倒す。この手でな」
既に磁石団長は戦場を離脱している。荒野にいるのはスーパー1と将軍だけであった。
「今は勝利の美酒に酔いしれているがいい。じきに敗北の味を噛み締めながら死ぬのだからな」
そう言うと馬首を返した。ゆっくりと蜃気楼の様に消えていく。
「最強の戦士か・・・・・・」
一人残ったスーパー1は呟いた。
「来るなら来い。たとえ誰が来ようとこの赤心少林拳で倒してやる」
強い決意の声だった。その時後ろから滝と彼の乗るジープの音が聞こえてきた。
「そうですか、滝さんはもう行きましたか」
闘いから数日後の朝沖は上司や同僚達の前にいた。
「ああ、今朝早くに。何でもサンフランシスコに行くとか言っていたよ」
白衣を着た上司の一人が言った。駐車場を見る。既に滝のジープの姿は無かった。
「シスコですか。またえらく離れてますね」
沖は苦笑して言った。
「おいおい、何言ってるんだ。君もそこへ行くのだろ」
上司は笑いながら言う。
「ええ、ちょっと滝さんを追っかけにね。それから何処へ行くかは解かりませんが」
沖も微笑んで言った。
「全てが終わったらまたここへ帰ってきます。それまで待っていて下さい」
「インターポールへの協力か。大変だが頑張ってくれよ」
上司が沖の肩に手を当てて言った。悪と闘うとは言っていない。インターポールへ暫く出向するという名目でセンターを後に
し悪を倒す旅に出るのだ。
「有り難うございます。必ず帰って来ます」
生きて帰れるとは限らない。だがそれでも行かなくてはならないのだ。それがライダーなのだから。
「ああ、その時は派手にパーティーをして迎えてあげるよ」
「その時を楽しみにしてて」
同僚達が次々に暖かい言葉をかけてくる。沖はそれが嬉しくてたまらなかった。
だが別れの時が来た。沖はあえて明るい表情と声で言った。
「じゃあ行って来ます。お元気で」
「頑張れよ」
皆の暖かい声と見送りを受け
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