天空の覇王
[1/18]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「・・・そしてストロンガーのデータは得られたか」
暗い部屋に響く声。砂漠でストロンガーを閉じ込めたあの声である。
「はっ、超電子のデータまでも」
戦闘員らしき声が木霊する。
「一号の技、二号の力、V3のバランス、ライダーマンの頭脳、Xの水中能力、アマゾンの敏捷性、そしてストロンガーの瞬発力。これで七人のライダーの能力を得られたか」
声は誰に話し掛けるでもなく語った。
「あとはスカイライダーの飛翔能力とスーパー1の多様性か。それを揃えてようやく完全な存在が産まれるのだ」
後ろを見る。そこには巨大な試験管があった。
その中の液体に浮かぶもの。それは人の形をした機械であった。
「あの男が誕生した時こそ我等が悲願の達成される日。それはもうすぐだ」
「たった今キバ男爵と鬼火司令が帰られました」
別の声がした。
「ほほう、早いな」
「ミャンマーで面白いものを見つけたと言っておられます。何でもダモン大佐の墓だとか」
「ダモン?」
その名を聞いて声はにやりと笑った。
「そしてキバ男爵達はその墓をどうした」
「遺体は白骨化していたそうです。墓から骨を持って帰られました」
「骨か、それさえあれば良い。面白い事になってきたぞ」
声は不気味な笑いを出した。それは部屋全体を支配した。
ペルー。かってインカ帝国が栄えた地である。スペインのピサロの侵略により跡形のなく亡ぼされた後スペインの植民地となった。十九世紀に独立した。スペイン系だけでなくインディオや彼等の混血メスティーソも多い。これは他の中南米の国家と同じである。日系人もいる。
この国の特色は国土のかなりの部分がアンデス山脈の高山地帯にあるという事である。北東部や東部に一部はアマゾン川やその支流となっている。人口の大部分は高山地帯に集中している。首都リマはインカ帝国の帝都クスコの跡地に建てられている。
マチュビチュ等インカ帝国の遺跡も残っている。それ等が物語っているのはこの帝国が極めて高度な文明を持っていたという事である。特に天文学や数学においては当時の欧州なぞ比べ物にならない部分もあった。アマゾンは彼等の文明により改造されている。このような高地にこれ程までの高度な文明があったという事は不思議ですらある。通常文明とは河川流域の平野部に発展する場合が多いからである。これは彼等が主食としたとうもろこしに関係があるのかも知れない。他にも日本で『仙人穀』と呼ばれるアマランサスというヒエ科の穀物もある。
この国にはそうした関係からインカ帝国の伝説が多い。黄金郷エルドラドもその一つである。インカ皇帝はスペイン人に対してこう言ったいう。
「ここにある黄金は今私が手に持つ皿に入っているとうもろこしのほんの一粒に過ぎない」
これが本当なのかは皇帝
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ