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仮面ライダーZX 〜十人の光の戦士達〜
天空の覇王
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はここの基地程度ではない筈だ。現に役君の話ではシンガポールに基地を建設する計画も実行に移していたようだしな」
 「それは聞いています。風見さんがそれを防いだそうですね」
 役から聞いたシンガポールでの死闘の話を思い出していた。
 「その時はデストロンの大幹部だったドクトルG達が指揮にあたっていたらしい。その他にもベイルートやカンボジアでも暗躍していた」 
 「あのネオショッカーをも遥かに凌駕する組織ですね」
 「おそらくな。これから辛い闘いになるだろうな」
 博士が深刻な顔で語った。
 「けどそれはいつもの事やおまへんか」
 それに対しがんがんじいが場違いな程明るい調子で言った。
 「がんがんじい・・・・・・」
 「矢田君、そうは言っても・・・・・・」
 筑波と博士が呆れて窘めようとする。しかし彼はそれも踏まえてあえて言ったのだ。
 「いくら敵が強かろうとわい等の目的は一つや。悪を倒す、そうでっしゃろ。あのドグマやジンドグマとも闘ってきたんでっせ。今更何言うてますんや、敵が強かったらその分わい等も強うなって頭も使えばええんや、闘う前から弱音言うとったら勝てるもんも勝てやしまへんで」
 「・・・・・・・・・」
 その言葉に二人は黙った。
 「そうだな、がんがんじいの言う通りだ」
 筑波が顔を上げた。
 「我々は少し弱気になっていたようだ。それではいけないな、我々が闘わなくてはいけないのに」
 「解かってくれはりましたか」
 がんがんじいは二カッと笑った。
 「ああ行こうぜ、コロンビアへ。連中がてぐすねひいて待ってくれてるぜ」
 「そうでなくてはな。こちらもやりがいが無い」
 「さあ行きましょか」
 三人はセスナに乗り込んだ。プロペラが回りだし滑走路を走りはじめた。そして空高く舞い上がった。
  
 天空の覇王 完


                                      2003.10・30

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