熱砂の騎士
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「そうか、隊長ブランクも敗れたか」
玄室の様な部屋である男の声が響いた。
「やはりあの程度の頭ではライダーを倒す事は無理か」
重く威厳のある声だった。何処か王者を思わせる。
「その後のアマゾンの動きはどうだ?」
「はっ、タイを抜けミャンマーへ向かっております。どうやらそちらへ撤退したキバ男爵達を追っているようです」
戦闘員の一人が報告した。
「そうか。これでアマゾンの能力もわかった。キバ男爵達にはすぐに本部へ帰還するよう伝えよ」
「はっ」
戦闘員の一人が姿を消した。
「今は戦力を減らすべきではない。キバ男爵にもこれからどんどん働いてもらわねばならぬしな」
ふと脇に置かれている地球儀を見た。
「ドイツ、インド、シンガポール、レバノン、中国、そしてカンボジア。これで六つの作戦が奴等に潰された。やはり例の計画を急がねばならぬな。アポロガイストはどうしている」
「アマゾンのデータを回収し本部に帰還されました」
「そうか。奴の敏捷性と野獣の如き力を得られる事は大きいな」
地球儀を回す。指で止める。丁度リビアの部分だ。
「かってカルタゴという国が栄えた地北アフリカ。ここでまた新たな闘いが始まるな」
そう言うとニヤリと笑った。
「この地にはあの連中がいたな」
「はい」
戦闘員の答えに満足気に笑った。
「わしと競おうとする身の程知らず共、精々楽しませてもらうぞ」
不敵に笑った。哄笑が玄室の中に木霊した。
北アフリカリビアの首都トリポリはローマ時代の遺跡で知られる。この地に生まれたローマ皇帝がおり彼が故郷の街を立派な街並みに造り替えた事がそのもとである。市内にはローマ皇帝マルクス=アウレリウスの記念門もある。その他にも歴史を語る遺跡は多い。メデューサの神殿や凱旋門等である。
観光客もいるが何よりもこの街は魚が有名である。
地中海に面したこの街は市場に行けば多くの魚が並んでいる。日本人が好きな鮪もあるしスズキの仲間や海老もある。海老は養殖ものでなく天然である。
この地でとれた鮪が日本に運ばれるのだ。はるばる日本からやって来た漁船が釣り上げ運んでいく。実に面白い話である。
市場は新鮮な魚と行きかう市民達でごった返している。陽性の活気が場を支配している。
その中を一人の東洋人が歩いている。名を城茂、またの名を仮面ライダーストロンガーという。
黒い長髪に黒い瞳を持っている。眉は太めで眼は一重である。細めだが筋肉質である。背や腿の部分に薔薇の刺繍が入ったジーンズの上着とズボンを着ている。赤いTシャツには大きくSの文字が描かれている。
手にはめている黒い手袋は皮製である。何か機械的な印象を与える。
孤児として生まれた。孤児院で育ち城南大学に進んだ。大学ではアメ
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