熱砂の騎士
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を使って首領のところまで行ったのだ。そして首領を倒した。首領を倒されたブラックサタンはその組織と戦力をデルザーに吸収される。つまり彼がペンダントを手に入れた事がブラックサタン崩壊の引き金だったのだ。
言い換えればそれはデッドライオンの失態がそのまま組織の崩壊になったということだ。首領の信頼を一身に集め最高幹部として君臨していた彼にとっては耐え難い屈辱であっただろう。
組織崩壊と同時に彼は姿を消した。デルザー軍団の吸収の際消されたとも言われたがデルザーがブラックサタンの基地に進駐を始めた時既に彼の姿はなかった。その後彼の姿を見た者は誰もいなかった。今この時まで。
「それが今になって出て来るとはな。これも腐れ縁ってやつか」
右手の人差し指と中指で写真を挟んで言った。
「しかし厄介だな。奴は御前さんへの恨みを忘れてないぞ」
滝が言う。それは充分に予想された。しかしそれに対し城は不敵に笑った。
「望むところですよ。じゃあ今度こそ完全に地獄へ叩き込んでやります」
左手を強く握り締めた。手袋が擦れる音がした。
翌日二人はトリポリを出発した。まずは空路でベンガジへ向かった。
ベンガジからは陸路でアマルへ向かう。バイクで砂漠に敷かれた道を走る。
滝のバイクは日本製であった。ホンダワルキューレ。重量感溢れる車体である。
それに対して城のバイクはごく普通のありふれたバイクであった。ワルキューレと比較するとかなり軽い印象を与える。
「カブトローじゃないのか?」
運転しながら滝は尋ねた。
「まあそれはこれからのお楽しみってね」
城はまた不敵に笑った。何やら意味ありげである。
それを遠くから見る影があった。二人を見届けると砂の中へ消えた。
「そうか、来おったか」
地下の基地の中でヨロイ騎士は報告を聞いていた。
赤い兜に黒の仮面、全身を暗い銀の鎧で覆いその上からマントを羽織っている。腰には大小二振りの剣を下げている。
イギリスは古来より騎士道を尊ぶ国であった。アーサー王と彼の臣下である円卓の騎士達の話はとりわけ有名であるがその他にも騎士の話は多い。
そのイギリススコットランドにある騎士がいた。彼はその地の王マクベスに心身を捧げている高潔な騎士だった。
当時スコットランドは宿敵イングランドとの長きに渡る抗争だけでなく内部においても深刻な権力抗争を抱えていた。
マクベスは先代の王が死去した為その跡を継いだ。彼が先王を暗殺したとの声もあった。だがこの時代よくある話であったし彼も王家の血を引いていたので支持する者も多かった。何よりもマクベスは優れた武人であった。
だが彼の即位に不服を唱える者もいたのは事実であった。彼等は公然と、あるいは陰に潜みマクベスを倒さんとしていた。
これに対しマ
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