熱砂の騎士
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ストロンガーは一気に間合いを詰めんとする。同時に胸のSの文字が回りだした。
「ほう、そうくるか」
それを見てタイタンは不敵に笑った。
チャージアップしたストロンガーの拳がタイタンへ繰り出される。タイタンはそれを受け止めた。
「ぐっ・・・」
さしものタイタンもこれは効いたようである。呻き声が漏れる。
「だがやらせん!」
指から炎を放つ。
「ファイアーシュート!」
ストロンガーはそれをバク転でかわす。かわすと同時に蹴りを放つ。
「うおっ!」
顔を思いきりのけぞらせそれを紙一重でよける。手で着地したストロンガーが再び来る。
両者は激しく打ち合う。ストロンガーに分があるがタイタンも粘る。やがてストロンガーの方に焦りが見られるようになった。
「ほう、そろそろ時間か」
タイタンはいわくありげに言った。
「何っ、貴様まさか」
ストロンガーはその言葉に動揺した。
「そうとも、貴様の超電子ダイナモの事は既に研究済みだ。短時間しか使えないという事もな」
「くっ・・・・・・」
ストロンガーは舌打ちした。その通りだったのだ。既に身体は限界に近付いている。
「俺は貴様が自爆するのを待てばいいだけだ。かって俺が自分の力の許容量を超えた時のようにな」
かって地底王国の闘いにおいて敗れた時の話だ。
「チャージアップを解きたいだろう。だがそうはさせん。その暇は与えぬぞ」
攻撃を繰り出す。ストロンガーの全身がきしむ。
「くっ、もう限界か・・・」
その時両者に向けて数枚のトランプが放たれた。
「ムッ!」
二人はそれをかわした。その間にストロンガーはチャージアップを解いた。
「クッ、もう少しというところで・・・・・・」
タイタンはトランプの飛んできた方を睨んだ。
「シャドウ、どういうつもりだ!」
そこに男はいた。あの白服の男だ。
「フフフフフ」
タイタンの問いに対し不敵に笑っている。
全身を白い中世の騎士の様な服で覆っている。マントとブーツも白だ。腰の左右には大小それぞれ一振りずつ剣が架けられている。
特に目を引くのが顔である。肌が無く肉がそのまま見える不気味な顔である。しかも不自然なまでに紅い唇は耳まで裂けている。その顔全体を透明なマスクで覆っている。彼の名はゼネラルシャドウ。ブラックサタン、デルザーにおいて勇名を馳せた一匹狼の剣客である。
欧州にはロマニと呼ばれる人々がいる。そのルーツはインドにあるとも言われているがはっきりとしない。欧州で各地を馬車等で転々としながら占いや奇術ショーを見せて暮らしている。メリメの小説『カルメン』等多くの文学作品にも登場している。独特の音楽でも有名である。
彼等は時として迫害の対象となった。特にナチス=ドイツの虐殺は
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