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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#3
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「『出逢った』と言うからには、自我───というか個性を持つ精霊だったってことだよね。精霊についての知識は、その精霊から教えてもらったの?」
「ええ、そうです。好奇心旺盛でおしゃべりな奴だったので、訊いてもいないのにペラペラと解説してくれました」
「だから、何でリゼにはすんなり答えるんだ」
レド様はそうぼやいて、ハンバーグの欠片を口に入れる。
「“普通の人間は魔力操作ができない”というのも、その精霊が教えてくれたの?」
「はい。【魂魄の位階】の低い人間には魔力や魔素は扱うことはできないのだそうです」
「だけど───“魔法”を使える人はいるよね?あれは、どういうことなの?」
実際、私は魔法を使う人に会ったことがある。火種程度のものだったけど、その人が火打石などなしに火を出現させたのを、この眼で確かに見た。
「ああ、それは周囲を漂う精霊や亜精霊が呼応しているだけらしいですよ」
「呼応?」
「ええ。人間は───いえ、他の動物もそうかもしれませんが、頭脳が命令を出して身体を動かすと聞いています。稀に、その命令を身体の外にまで響かせることができる人間がいるのだそうです。それを受けた自我を持たない精霊や亜精霊が呼応して、命令を実行してくれる────そういうことらしいです」
「それじゃ────“魔法使い”だと思われている人は、本当は“精霊使い”だということ?」
「そうなりますね。前世の俺は────精霊と契約したことにより、後天的に“精霊使い”となった、というわけです」
精霊や亜精霊が呼応する────レド様が魔術を施行しようとすると暴走していたのは、まさにそれが原因だったんだよね。
あの“忌み子”の謂れとなった伝承の────サリルが魔力を暴走させて、周囲の村々が壊滅したという下り。
サリルがレド様を凌駕する魔力量の持ち主でなければできることではないから、私は誇張されたものだとばかり思っていたけど────もし、サリルの感情に周囲の精霊や亜精霊が呼応して、その暴走が増大してしまったのだとしたら…?
セレナさんは、『漂う魔素を操れた』と言っていた。可能性はある。
“魔法使い”についても調べてみることにしよう。
「リゼ?」
「あ、すみません、レド様。もしかしたら、今の話が、セレナさんの髪色が変わる原因を知るとっかかりになるかもしれないと思いまして」
「……リゼが毎晩、寝る時間を削って調べていたのはそれか?」
「えっ、いや───削ったりなんかしていませんよ?!きちんと睡眠はとっています!!」
ちゃんと3時間は眠るように心がけている。
まさか、睡眠時間を削っていたと誤解されていたとは。それで、あんなに心配してくれていたんだ。
「……エイナに前世の記憶について訊ね
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