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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#3
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が届いていないだけなのか────授業で習った“日本史”に小説やマンガ、“テレビ番組”などで聞きかじった知識を加えた程度の私には判断がつかない。
ただ───私とレナスが、前世、生まれ育った場所。これに関しては、集落の規模や地名の表記が変わっていたものの、同じ場所で間違いないと考えて良さそうだ。
レナスの前世の時代には“お社”はなかったようだが、神社の裏にあった山、その中腹に存在した“神域”────それに、“御神刀”の存在やそれを護る役割も一致している。
「それなら───リゼの前世は、レナスの前世の子孫だったということか?」
「どうでしょうね…。オレの近しい血族は死に絶えていましたから────別の村で暮らしていた遠い親戚か、もしくは同じお役目を担っていた別の血族か────どちらの子孫だとしても、血の繋がりはないに等しいと思いますね」
答えるレナスの表情は、心なしか陰って見えた。
この話は、私も初耳で────少なからずショックを覚えた。
近しい血族は死に絶えた────
もし、私の想定通り、レナスが前世、生きていたのが戦国時代以前なら────伝承にある戦国時代に陥ったという“全滅の危機”に関係している…?
「まあ、それでも────オレの血族が絶えたのだとしても…、村が復興して、オレたちが代々護ってきたものが失われることなく受け継がれたと判って────それだけでも、救われた思いです」
レナスは視線を伏せ、塩むすびを食べた後に啜っていたお味噌汁とお箸をテーブルに置いた。そして、再び上げた視線を私に向けた。
「ありがとうございます、リゼラ様。オレは────本当に、リゼラ様に出逢えて良かったです」
「レナス…」
私は自分の前世の記憶を伝えただけなので、感謝されるような謂れはないとは思うけど────レナスが私と話したことで、前世の無念が軽減されたのなら良かった。
「「チッ」」
レナスと笑みを交わしていると、何か舌打ちのような音が聞こえた。反射的に音がしたと思われる方を見遣ると、レド様とジグは素知らぬ顔で食事をしている。……あれ、空耳?
「それにしても…、リゼとレナスの前世が、食事の様相が変わるくらい時代が離れているということは────死んで、すぐに生まれ変わるわけではないということか?」
レド様が疑問を漏らす。確かに────そういうことになる。あるいは、この世界と前世の世界の時間の流れが違うかだ。
「そういえば────ジグの前世のことは、まだ聴いていなかったな」
オムライスをスプーンで崩していたジグは、その手を止めて、顔を上げる。
「俺の前世───ですか?」
「そうだ。お前の前世は、どういう人物だったんだ?」
「リゼラ様やレナス───それにルガ
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