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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#3
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「それでは────私たちも何か食べることにしましょうか」
◇◇◇
「で───何故こいつらも一緒なんだ、リゼ」
ダイニングテーブルに、アイテムボックスから取り寄せた料理を並べていると、レド様が傍に立つジグとレナスを一瞥して、不満げに漏らした。
「申し訳ありません、レド様。ストックしていたどの料理も人数分はないので、夜会などのように、皆で少しずつ取り分けて食べようかと思いまして」
最近、レド様と別行動する際はお弁当を用意していなくて、ストック分を消費することが多かった。
朝食やお弁当を作るときも、多めに作ってストックする余裕がなかったので、減る一方だったのだ。
そんなもの適当に取り分けて渡せば────などと、ぼやきながらも、レド様はイスに腰を下ろした。
「レド様、どれがよろしいですか?」
「俺より、リゼが先に選べ。打ち上げでは、そんなに食べていなかっただろう?空腹なのではないか?」
「私は大丈夫ですよ。レド様が先にお選びください」
「駄目だ。先に選べ」
これは私が折れた方が良さそうだな。レド様の頑なな態度に苦笑しつつも、その気遣いが嬉しい気持ちも込み上がる。
「ありがとうございます、レド様。では、私は唐揚げと卵焼き───それに“塩むすび”をいただきます」
「ジグ、レナス───ほら、選べ」
「え、良いのですか?」
「珍しいこともあるものですね」
「……気を遣って、せっかく先に選ばせてやろうと思ったのに────いらないようだな」
「ちょっと驚いただけじゃないですか。心が狭いですよ、ルガレド様」
「それでは、遠慮なく。俺はこのオムライスをいただきます」
ジグがオムライスの載った皿に手をかけると、レド様が腰を浮かせた。
「おい、それは駄目だ。オムライスは1個しかないんだぞ。普通、気を遣って別のものを選ぶだろう?」
「………俺たちが先に選ぶ意味、ありますか?」
レド様とジグの遣り取りをよそに、レナスはカツ丼を手に取る。
「オレはカツ丼にします。リゼラ様、いただきます」
「召し上がれ。あ───お味噌汁もどうぞ」
「ありがとうございます」
嬉しそうなレナスに、私の口元も緩む。レナスは本当にトンカツが好きだな。サンドウィッチもカツサンドが一番好きみたいだし。
レド様とジグに視線を戻すと、まだオムライスを巡って応酬している。何か、オムライスに代わるものはないかな…。
あ、そういえば、あれをまだ食べてもらってない────
「レド様───こちらのハンバーグを召し上がりませんか?これ、いつもお出ししているものと違って、“デミグラスソース”ではなく、お醤油などで味付けしたものなんです」
前世で、子供の頃に“母方
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