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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#3
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ので、すでに取り寄せてある。

 それは下着で、排泄物が専用の異次元空間に転送されるようになっているようだ。【除去(クリアランス)】も施されているみたいで、排泄後に発動して、清潔さが保たれるとのことだ。

 バレスの身柄を預かることを決めたのは私なのに────仲間たちに、身体を洗わせるのも、排泄の世話をさせるのも忍びない。バレス本人だって嫌だろうし。

 ただ───食事だけは、食べさせてあげないといけない。私がやれればいいけど、時間的に無理そうだ。悪いとは思うが、それだけは頼みたい。

「お任せください」

 ラムルは、僅かに目元を緩めた後、いつものように優雅に一礼した。

「ところで───皆はちゃんと夕食をとることができたんですか?」
「はい。今は後片付けをしているところです」
「そうですか。ジグとレナスは夕食を食べられていないのですが、料理は残っていますか?もし、残っていないようでしたら、私が作り置きしている分から出しますが…」

 バレスの件で慌ただしかったようなので、念のため確認する。

 ラムルがそれに答えようとしたとき────ジグとレナスが、勢い込んで口を挟んだ。

「それでしたら、リゼラ様が作ってくださったものをいただきたいです」
「オレもです」

 途端に、レド様とラムルのこめかみに青筋が浮かび上がる。

「リゼラ様───申し訳ありませんが、ジグとレナスの食事をお願いできますか?この二人には、カデアの手料理を食べさせたくありませんので」
「待て、ラムル。俺だって、こいつらにリゼの手料理を食べさせたくないぞ」
「我が儘を仰らないでください、旦那様」
「いや、それはお前の方だろう、ラムル」

 何だか余計なことを言ってしまったみたいだ…。

「あの…、落ち着いてください、二人とも。ジグもレナスも、私の作る前世の料理を気に入ってくれているみたいなので────最近、お弁当ではない、ちゃんとした食事を出す機会はなかったですから、単に久しぶりに食べたくなっただけで────決して、カデアの料理を食べたくないとかではないと思いますよ?」

 そうですよね?───と同意を求めて、ジグとレナスを振り返る。

「いえ、ただ単にリゼラ様の手料理をいただきたいだけです」

 ジグが、何か条件反射のように返してきた。

 母親の料理より、“女の子の手料理”の方がいいとか、そういう若い男性にはありがちな心境なのだろうけど────今は空気を読んで欲しいな、ジグさん…。

「と、とにかく、ジグとレナスの夕食は私のストックから出しますね」
「……俺も食べる」
「レド様も、ですか?」

 そういえば、酒場では色んな料理をちょっとずつ摘む程度だったから、夕食としては物足りなかったかもしれな
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