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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#2
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「行ってらっしゃいませ───旦那様、リゼラ様」
ラムルに見送られて、レド様と私はエントランスホールの隅に設置してある【
転移門
(
ゲート
)
】から、ベルネオさんの商館へと跳ぶ。
そして、後ろからついて来るジグとレナス同様に【
認識妨害
(
ジャミング
)
】で姿をくらませ、商館を出て歩き出す。
姿をくらませたのは、今更ではあるが、ベルネオ商会所有の建物に出入りしているところを見られないようにするためだ。
今回の騒動で、“Bランカー冒険者アレド”が“ルガレド皇子”であるということが知れ渡ってしまった。
元々、国民には皇妃の被害者と見なされていたこともあり────皇都民は好意的に捉えてくれている。それどころか、英雄視しているらしい。
害意を持つ者はいなさそうだが、皇妃一派が何かしてこないとも限らない。
裏通りにひっそりと立ち並ぶ商店街をしばらく進んでから、誰もいないことを確かめ、【
認識妨害
(
ジャミング
)
】の対象を、『レド様に害意がある者』に変えて───改めて、私たちは冒険者ギルドを目指して歩き出した。
今日は、冒険者だけのスタンピード殲滅戦の打ち上げだ。
殲滅戦に駆り出された冒険者だけでなく、後片付けの手伝いに近隣の支部から駆け付けてくれた低ランカーたちも対象に入る。
そのため参加者があまりにも多く、一つの酒場では入りきらないことが目に見えているので、幾つかの酒場を貸し切って分散させることになっている。
解体師たちは、別の日に改めてやる予定だ。
本来なら国が祝勝会を開くべきなのだが────ようやく皇都入りした皇妃一派が強硬に反対したために、企画の段階で立ち消えとなった。
このまま何もしないわけにはいかないので、皇子であるレド様が個人的に労う形で、この宴会を催すことにしたのだ。費用もレド様の予算から賄う。
あいつら全員、いい加減、本当に呪われてくれないかな。
まあ、でも────冒険者たちには、貴族を交えた堅苦しい祝勝会よりも、こういった宴会の方がいいかもしれない。
レド様と私は、Bランカーたちが集まる会場に少しだけ顔を出して、すぐに辞するつもりだ。
打ち上げ会場となっている酒場をすべて回って労いたいところだけど、顔を出すだけでも低ランカーたちは委縮してしまうだろうということで断念した。
ちなみに、セレナさんやアーシャ、ハルドとヴァルトさん、ディンド卿は打ち上げに参加しない。
レド様が参加を勧めたけど、セレナさんは元々そういった場は苦手だし、未成年のアーシャとハルドはお酒は飲めないから宴会は興味ないみたいだし────ディンド卿に至っては、スタンピード殲滅戦には冒険者ではなくレド様の補佐として参加したので、遠慮すると
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