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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#2
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でいた仲間だからというだけでなく、幼馴染だったからなんだ。
あ、それなら────
「エイナさん、ちょっとお訊きたいことがあるんですが…」
「ん?なぁに?」
「ガレスさんの幼馴染に、“記憶持ち”がいたと聞いたんですが────エイナさんもお知り合いですか?」
ガレスさんは忙しそうで訊ねる暇がなかったから、エイナさんから話を聴けたら有難い。
「ああ、それ────あたし」
「…え?」
「“ガレスの幼馴染の記憶持ち”でしょ?それ、あたしのことよ」
「そう───なんですか?」
「そういえば、リゼちゃんも記憶持ちだったわね。それで、訊きたいことって?」
「…前世の記憶について、お訊きしても構わないですか?」
「別に話すのは構わないんだけど…。話せるほど覚えてないのよね。断片的というか────身に覚えのない場面みたいのが幾つか記憶に紛れているだけで、自分がどんな人物だったとか、どんな家族がいて、どんな生活してたとか、そういったことが判るような記憶はないの。
あ、でも────多分、行商みたいなのやってたんじゃないかしら」
「行商?」
「そう、行商。冒険者になって、いろんな所へ行くようになって───その先で、記憶に紛れている光景に該当する場所があったのよ。それが一つだけでなくて、何ヵ所もなの。それぞれ───1日で往復できそうな近い所もあれば、国を跨ぐような遠い所もあって…、ただ単に引っ越しただけとは思えないのよね。だから、旅をするような職業だったのかなって。
だけど、防具とか武具を身に着けたり、魔物と戦っているような記憶はないから、冒険者ではないと思うのよね。でも、自分の店みたいなのも出てこないから、行商でもしてたんじゃないかなと」
「なるほど───確かにそうかもしれませんね」
エイナさんが【
記憶想起
(
アナムネシス
)
】による“忘却障害症”だとしても、これでは当時の記憶はなさそうだな。
“神託”ではなく、“参拝義務”で【
記憶想起
(
アナムネシス
)
】を施されたのなら、ディルカリダ側妃と関わった可能性がある。些細な遣り取りでも聞けたら、何か手掛かりになるかもしれない────と思ったのだけれど。
「この皇都にある教会に行った記憶はありますか?」
「墓参りってこと?」
「いえ、教会の中───聖堂に入って…、何らかの儀式を受けたというような記憶です」
「正直、ここの教会に入ったことがないから、確実じゃないけど────教会っぽいところで儀式みたいなのは受けた記憶はないわね」
「そうですか…。────ありがとうございます。訊きたかったのはそれだけです」
「何か、リゼちゃんのご期待には沿えなかったみたいね」
「いえ、ちょっと訊いてみたかっただけですから。すみません、引き留めてしまって。酒場へと向かい
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