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コントラクト・ガーディアン─Over the World─
第一部 皇都編
第二十八章―邂逅の果て―#2
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とだ。
ヴァルトさんは、すごく意外なことに下戸なのだそうで、宴会は行ってもそれほど楽しめないらしい。
それなら誰かと手合わせをしている方がいいと言われて、何だか妙に納得してしまった。ディンド卿かハルド辺りが付き合わされることになりそうだな。
「酒場に行く前に、ギルドの方に寄って行かれるのですよね?」
「ああ。ちょっとガレスと話さなければならないことがあってな」
魔物や魔獣の解体はどうにか終えたものの、しなければいけないことは、まだまだある。
今回の場合、誰がどれくらいの魔物を討伐したか判別することは不可能なので────肉や魔石、その他買取可能な素材をすべて換金して、報酬は現金のみで一定金額を支払い、働きに応じて褒賞金という形で上乗せすることになっている。
肉も素材も大量過ぎて売り捌けるか心配されたが────サヴァル商会とベルロ商会が、採算が取れないのを承知で、かなりの量を買い取る旨を申し出てくれている。
私とレド様は、鞣革や魔石などはサヴァルさんとベルロさんに回し、日持ちしない肉を可能な限り買い取らせてもらうつもりだ。
レド様が買い取った肉の一部は、おじ様の勧めで貧民街で配付するみたいなので────私の方は、自分の所有する孤児院に回すのは勿論、もう一つの孤児院に寄付しようと考えている。
冒険者ギルドに辿り着いて扉を潜ると、まだ夕暮れの頃合いだったが、冒険者たちは早々に打ち上げ会場へと向かったのか、数えるほどしか人はおらず閑散としていた。
「こんばんは、セラさん」
カウンターで依頼書の処理をしているセラさんに、邪魔してしまうことをすまなく思いつつも、声をかける。
「こんばんは、リゼさん、アレドさん。ギルドマスターとの面会の約束ですよね?応接室へどうぞ」
お礼を言って向かおうとしたとき────セラさんが、ちょっと慌てた様子で付け足す。
「あ、リゼさん。ユリアさんがリゼさんに何か用事があるみたいで────少しだけ時間を取って欲しいとのことです」
「ユリアさんが?」
「はい。あちらで待っています」
セラさんの右手につられて視線を向けると、そこにはソロのBランカー冒険者───ユリアさんがいて、申し訳なさそうに会釈をした。
レド様と別行動することに少し躊躇ったけど────時間がないし、何かあっても駆け付けられる距離だからと自分に言い聞かせる。
「レド様、すみません。私はユリアさんのお話を聴いてから向かいます」
「……解った」
レド様は言葉とは裏腹に、何だか納得していなさそうな表情で頷く。
≪ジグ、頼んだぞ≫
≪は───お任せを≫
いや、レド様───それは、私とレナスがするべき遣り取りだと思うのですが…。ただ
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