第十話 奈良においてその十
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「しかし。聖杯はまだ見つからないぜ」
「それが残念ね」
「いえいえ」
ここでまた慇懃に言うロンだった。
「そうでもありませんよ」
「むっ、それではだ」
「見つかったというのか」
「古都にあるとなればです」
ロンは今度はヴァッフォとミゲラに対して話した。
「それではおのずと限られてきます」
「京都にはなかった」
「そして今奈良だな」
ヴァッフォとミゲラはお互い顔を見合わせて話に入った。
「では今度は一体」
「何処にあるのだ?」
「既に大阪にも行きそこにもありませんでした」
大阪もかつては都だったのである。所謂難波宮である。
「となればです」
「さらに限られるな」
「そうだな」
「そうです。残るは僅か」
こう言ってまた思わせぶりな笑みを浮かべてみせる。
「さて、これもまた面白いことです」
「さあ、聖杯の話も出ていますが」
「戦いは佳境に入ろうとしております」
ヤバイバとツエツエは実況を真面目にしていた。こうしたことには変に芸が達者である。戦闘指揮や作戦立案についてはともかくとして。
「ツエツエさん、ここはです」
「はい、ヤバイバさん」
しかも息も合っている。
「確かに戦隊の奴等も頑張っていますが」
「往生際の悪いことです」
「しかしこちらの数は圧倒的に優勢」
「それを覆すことは容易ではありません」
この辺りの読みの違いにダゴン達との差が出ている。彼等に自覚はないが。
「さあ、奴等はこのまま倒れるのか」
「是非そうなって欲しいものです」
「今度こそ美味しいお酒が飲めるでおじゃる」
ケガレシアも満面の笑みで語る。
「ゴーオンジャーの奴等はこれで終わりでおじゃるな」
「少なくとも我等の邪魔はしなくなるなり」
「そのまま大人しくしておくがいいぞよ」
ヨゴシュタインとキタネイダスも言う。
「それではなり」
「勝利の暁にはぞよ」
「聖杯で乾杯でおじゃる」
三人はもうそのつもりである。しかしであった。
「もうこれ以上戦ってもな」
「そうね」
「ラチが明かない」
戦隊の面々はここで勝負に出ようとしていた。
「皆、いいな」
「ええ、それじゃあ」
「ここは」
言いながらそれぞれ剣を出す。そうしてであった。
「参る!」
「行くわよ!」
全員でその剣を構え前に突進してだ。それから縦横無尽に斬り回りそうして回りにいるマスコット達を一掃してしまったのであった。
これを見たマンバルバがだ。思わず声をあげた。
「何っ、あの技だ」
「間違いありません」
アクマロもここで言う。
「侍の技です」
「何故ハリケンジャー達があの技を使える?」
「ボウケンジャー達も」
チュウズーボとクエスターガイも驚きを隠せない。
「違うチームだというのにだ」
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