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カピバラへの愛情
第二章

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「時としてな」
「ああしてですか」
「ああ、種類が違ってもな」
「餌あげたりするんですね」
「中にはな」
 カニオはさらに話した。
「小さな鼠にもだよ」
「餌あげるんですか」
「そうすることもな」
「あるんですね」
「そんな事例も報告されているんだ」
 そうだというのだ。
「これがな」
「そうですか」
「自分を怖がるから逃げた方にそっと置いてな」
 その餌をというのだ。
「飛び去る位にな」
「鼠が自分を見て怖がらない様に」
「烏は頭がいいからな」 
 この有名なことを話した。
「そうしたこともしてな」
「餌あげますか」
「そしてな」
「今はですね」
「ああ、トゥビを気に入ってな」 
 そうしてというのだ。
「ああしてだ」
「そうですか、ただ」
「チチッ」
 見ればだ、烏は。
 トゥビの頭に乗った、するとトゥビはびっくりして逃げた。部下はその様子を見てカニオに対して言った。
「逃げられました」
「距離を一気に縮めようとして失敗したな」
「ですね、嫌われましたかね」
「そうでもないだろ、これからだ」
 カニオは冷静な声で話した。
「だからな」
「それで、ですか」
「これから見ていけばいい」
「トゥビと烏がどうなっていくか」
「ああ、ゆっくりとな」
 カニオは暖かい目と顔で言った、そうしてトゥビを他のカピバラ達と共に育てていくと烏はそのままずっと彼の傍にいて。
 何時しかカピバラ達と共に暮らしいつもトゥビの傍にいる様になった、雄だとわかり名前もカルロと名付けられ。
「カァ」
「チチッ」
「本当に仲がいいですね」
 部下は一緒に食事を楽しむ彼等を見つつ言った。
「今も」
「いいことだ、それならな」
「俺達はですね」
「トゥビとカルロをな」 
 カニオも彼等を温かい目と顔で見ている、そのうえで部下に応えた。
「育てていこう」
「見守って」
「カルロは元々は動物園にいなかったがな」
「トゥビの友達になりましたし」
「だからな」 
 それでというのだ。
「一緒にな」
「育てていきますね」
「そうしような」
 こう言ってだった。
 今は彼等を見守った、その彼等はとても仲がよく幸せに包まれていた。


カピバラへの愛情   完


                2025・2・23
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