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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第27話:この世界のシンジツ
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眼鏡をかけた一人の若い青年。
青年は士達を視界に捉えると、一瞬息を呑む仕草をする。
一瞬真剣な表情を見せるも、すぐににこやかな笑みを向けながら声をかけた。
「やあ、よく来たね。ディケイドと……そのお仲間たち」
「あなたは?」
「俺か? 俺の事は『エンプティ』って呼んでくれ。俺達"ライダーアライアンス"のリーダーをやっている」
小狼が訊ねたことに返しながら、青年――『エンプティ』は自分の名前を告げて自己紹介をした。
蠱惑的な雰囲気を醸し出す彼に士は目を細めて視線を飛ばし、小狼達と共に腰掛の席に近づく。
笙悟・龍王も含めた全員が席につくと、エンプティは再び話を続けた。
「ディケイド……門矢士だったかな、君達の事は多少だけど知っているよ。ネオライダーと戦っているんだって?」
「成り行きでな。この世界で俺達が探している物の邪魔をしているんだよ。あいつらネオライダーがな」
エンプティの質問に対してそつなく答える士。
腰掛へと座った士達4人の目の前に、エンプティが入れた5個の粗茶が入った茶碗が差し出される。
士、小狼、サクラ、夏海は茶碗を掴み、口をつけた。
そこで小狼が差し出された粗茶が一つ余っている事に気付き、それについてエンプティへ訊ねた。
「あの、一つ多いような気がしますが」
「ああ。それはそこの君に差し出したものだよ」
「そこの君って、一体誰の事を?」
「光夏海君が持っているその子だよ」
粗茶を啜る士の質問に対して、エンプティは夏海へと指をさした。
正確には夏海が持つモコナを指差していた……その光景を見て、士は心の中で少し驚く。
(コイツ、白毛玉を人形か何かだと思ってないのか?)
普通の人間から見れば、モコナは黙っていれば何等かのマスコット的ぬいぐるみだと思われていた。
だがしかし、この部屋に入って一言も喋ってないのにもかかわらず、この男は見抜いたのだ。
「わーい、飲んでもいいの?」
「ああ、熱いうちに飲んでくれ」
「ありがとー!……んん?」
夏海の肩から降りたモコナは茶碗を両手で持ち、中身の粗茶をグビリと一飲みにする。
すると不思議そうな表情を浮かべ、ふと上へと見上げてエンプティの顔をじっと見つめた。
「うーん?」
「どうしたんだい?俺の顔なんか見つめて?」
「……どこかで見たような顔、どこで見たんだろう」
エンプティの顔を見ながら考え込むモコナ。
そんなモコナをサクラが回収し、タイミングを見計らってた笙悟が話題を切り出した。
「お前達をここへ招いたのは他でもない。リーダーがお前らと話がしたいと言ってきたんだ」
「リーダー、というとエンプティだったか。お前が?」
「知りたいんだろう、ディケイ
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