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ツバサ -DECADE CHRoNiCLE《ディケイドクロニクル》-
第27話:この世界のシンジツ
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男の声が出てきた。
『トマト出汁の……』
「「トマト?」」
「メモに書かれてある合言葉だ……確か、味噌汁」
聞きなれない言葉に首を傾げる小狼とサクラ、それに対して士は『味噌汁』という単語を出した。
その言葉を口にした後、ガチャリと鍵が開き、その中から顔を出してきたのは……龍王の姿だった。
「よぉ、よくやってきたな。早速だが入れ」
「お、お邪魔します」
夏海が挨拶した後、士達4人は部屋の中へと入った。
廊下を通ってリビングの中へと入ると、そこに広がるのは質素な内装だった。
目につくのはベッド、冷蔵庫、マット……最低限の生活品しか置いてなく何処からどう見ても異質だった。
士達を案内した龍王はマットの元へ向かうと、それを手に掴んだ。
「悪いな、ここは隠れ家へ繋がる道の一つなんだ」
「ここが拠点じゃないのか?」
「いつどこであいつらネオライダーが狙っているかわからないからな」
士の疑問に軽く答えると、龍王は思いっきりマットを引っ張り、裏返す。
マットの裏に描かれていたのは、何らかの魔法陣。
龍王は裏返したマットを魔法陣が描かれている方を上にして敷きなおすと、突如魔法陣が光りだした。
一体何が起こったのか、と思う士達一同……そこへモコナが小さな声でしゃべった。
「ねぇねぇこれ、空間を繋げる魔法だよ」
「魔法? これがですか?」
「うん、侑子がよく使っている魔法によく似ているの。マット自体が魔法具の一種だと思う」
目の前に繰り広げている光景にモコナが自分の持つ知識を以て解説する。
夏海がモコナの魔法の解説について聞き入ってると、龍王は敷きなおしたマットの魔法陣へ入ろうとする。
いきなりの行動に小狼が静止の声をかけた。
「ま、待ってくれ!」
「なんだよ、魔法の道で繋がるだけだって。さ、騙されたと思って突っ込んでみろよ」
慌てる小狼の様子を見て、不敵な笑顔を向けながら龍王は魔法陣の中へと入る。
するとまるで穴に落ちるが如く魔法陣の中へと沈み、そのまま姿を消した。
人一人が消えた光景に驚く一同……しかし、それを見ていた小狼は魔法陣へと一歩進み、そして中へと入った。
「……っ!」
「小狼!」
「小狼君!」
「ちょ、士君、サクラちゃん、待ってください!」
魔法陣へと入った小狼に続いて、士、サクラ、夏海とモコナと続いて入っていく一同。
少しの間、眩い光に包まれた後収まると、そこは先ほどの殺風景な部屋とは何処か別の場所であった。
床一体を覆う畳のような大座敷、その奥に鎮座するのは大きめの腰掛け椅子と、二人の人物。
「よう、先に待っていた」
一人はくつろいでいる笙悟。
そして一人の人物。
着流しを纏い、黒髪と
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