第二章
[8]前話
「その上の娘もな」
「下の娘が生まれたらな」
「ほったらかしになったわね」
「それでそのことが会社の人に突き止められてな」
「育児放棄で親権放棄させられてな」
「俺達が引き取って」
「二人を養子に迎えて育ててるわ」
二人で洋介に話した。
「私達の娘達よ」
「紛れもなくな」
「あいつ等は親じゃなかったんだな」
洋介は心から思って言った。
「ふわりにとっても妹さん達にとっても」
「ああ、おもちゃだったんだ」
「結局はね」
「だから新しいおもちゃが手に入ったら見向きもしなくなった」
「そうだったのよ」
「そしておもちゃがなくなってな」
「育児放棄から禁治産者に認定されてよ」
ふわり達の親だった輩共の話をさらにした。
「お仕事も何もかもなくなって」
「夫婦でずっと安酒飲む様になってだ」
「挙句アル中で死んでな」
「白骨死体になって発見されたわね」
「そうなったな、自業自得だったよ」
洋介は心から思って言った。
「あいつ等は、けれどふわりはな」
「見ての通りだ」
「いいお姉ちゃんよ」
三人で見た、見ればだった。
ふわりは妹達に自分のおもちゃの一つを咥えて持って来た、そして鳴いた。
「ワン」
「だあ」
「だあだあ」
「おもちゃ貸してるんだな、本当にな」
洋介はその光景を見て話した。
「ふわりはいいお姉ちゃんだな」
「妹達の面堂をしっかり見てな」
「可愛がるね」
「いいお姉ちゃんだな」
「本当にね」
「そうだよな、本物のお姉ちゃんだよ」
そのふわりを見て言った、ふわりは自分のおもちゃで遊ぶ妹達を傍で見ている。その目はとても優しく温かいものだった。
お姉ちゃんとしてしっかり 完
2025・2・22
[8]前話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ