第二章
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「君僕が電車の中で寝ていた時あったね」
「ああ、あの時だね」
「起きたら隣で笑顔でいたね」
「そんなことあったね」
「あの時はね」
どうかというのだった。
「一人でいたのに」
「君が一人だったから寂しいかなって思って」
「たまたま同じ電車に乗っていて」
「同じ車両だったことに気付いてね」
「嬉しかったよ、ふと目を覚ましたら」
その時にというのだ。
「君が隣にいてくれて笑っていてくれたから」
「一人じゃなかったから」
「それって何でもない様で」
そうであってというのだ。
「違うんだよ」
「そうなんだ」
「僕あの時結構色々あったし」
個人的にというのだ。
「寂しくて辛い思いもしてきたんだ」
「そうだったんだ」
「それでね」
その状況でというのだ。
「君がふと傍にいてくれて」
「嬉しかったんだ」
「忘れないから」
知人は強い声で言った。
「君がそうしてくれたことを」
「僕は何もしていないよ」
「したよ、今言ったことをね」
まさにというのだ。
「そんな君だから」
「いつも周りにいい人が一杯いてくれるんだ」
「そうだよ」
「僕は何もしていないけれど」
「そう思ってもだよ」
それがというのだ。
「違うんだよ」
「そうなんだね」
「僕も言うよ、何かあったら」
その時はというのだ。
「何でも言ってよ、何も出来ない僕でもね」
「僕を助けてくれるんだ」
「及ばずながらもね」
こう言って実際にだった。
彼もまた久保田に何かあれば助ける様になった、やがて久保田は取引先のとても性格がいい人にだった。
告白されて交際する様になり。
結婚した、そしてだった。
「子供も沢山出来まして」
「家庭も円満だな」
「はい」
四十代になった時に定年退職する自分に幸せになると言ってくれた上司に話した。
「とても」
「そう、君みたいないい人は」
「幸せになるんですね」
「いつも周りにいいことをするから」
だからだというのだ。
「それでだよ」
「だからですか」
「そう、皆恩義を感じて」
そうしてというのだ。
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