第52話 共闘
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の努めです。それにこの村には腕の立つ人間が何人かいるようだし賊の殲滅は問題ない」
私は趙雲、夏侯蘭を見ました。
「我らも劉ヨウ様と共に賊退治を参加させていただきます!」
二人とも拱手をして私に言いました。
昼間私をチラチラと見ていたとき印象が違います。
「二人とも期待しているぞ」
「少しいいかい」
趙雲に似た女性が私に声をかけてきました。
「あたしの娘と水蓮の話では相当の腕らしいね。そんな御仁が酔狂に何の見返りもなく私達に力を貸す理由はなんだい」
話し振りからして、この女性は趙雲の母に間違いないと思いました。
私を見定める目つきで見ています。
この手の視線は私は嫌いです。
何もやましいことは無いのに緊張してしまいます。
私を自称劉ヨウとでも思っているのでしょうか?
趙雲の母親は随分と疑り深いようです。
「理由が無ければ人を助けてはいけないのですか?あなたは自分の娘が死にそうなら助けるでしょう。私も同じです。確かに私の例は極端ですが、人が人を助けるなどそんなものでしょう」
私は随分無理のある故実けで答えました。
力を貸す理由と言われても困ります。
私は欲得で人を助けている訳ではありません。
この女性はなんて失礼なんでしょう。
趙雲の母親でも許せません。
「あなた何なんですの!正宗様は善意で力を貸していますのよ!あなたに何がわかりますの!」
麗羽が趙雲の母親に怒りをぶつけました。
「母上、口が過ぎますぞ!」
「趙覇さん、言い方をもう少し考えてください」
趙雲も怒っています。
夏侯蘭は趙雲の母親と同じ気持ちなのでしょうか?
私は少し傷つきました。
「全然、答えになっていないよ。人は多かれ少なかれ行動には理由が伴うものだ。確かにあなたの言う通りそんな奇特な人間もいるかもしれない。が、この世の大半の人間は前者の方が殆どだよ」
趙雲の母親は私を猛禽のような目つきで見ています。
彼女は私に喧嘩を売っているのでしょうか?
「・・・・・・わかりました。私は山賊というものが大嫌いです。理不尽な理由で罪の無い者を凶刃の餌食とします。私が山賊を狩る理由は私の目の前で不快な真似をさせないためです。それは山賊だけに限ったことではない。私の目の前で罪無き者を苦しめる者を誰一人して生かしておくつもりはない」
私はしつこく食い下がる趙雲の母親に本音を話しました。
この女性は私の本音を聞くまで諦めないでしょう。
「ちゃんと本音を言えるじゃない。その理由の方がよっぽど信用できるわ。劉正礼様、先ほどまでの無礼の段お許しください。そして、この村を救うべくお力をお貸しください」
趙雲の母は軽く微
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