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八条学園騒動記
第七百八十八話 勉強することその九

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「かえって残ってるもの奪い取りたいよ」
「それで蹴落とすわね」
「そうしたいよ、流石にそこまでね」
「優しくなれないわね」
「自分も迷惑被っていたら」 
 そうであるならというのだ。
「死んでもなおらないっていうけれど」
「地獄に落ちろね」
「そうだよ」 
 そうした考えだというのだ。
「本当にね」
「人間だとね」
 蝉玉は難しい顔で話した。
「もうね」
「人間には限界あるからね」
「心にね」
「それは狭いよ」
 心の許容量はというのだ。
「神様仏様と比べて」
「ずっとね」
「だからね」
 そうであるからだというのだ。
「そんな奴は誰でもね」
「助ける気になれないわね」
「例えば変わるにしても」
「人も世の中も」
「よく変わることが大事で」
 そうであってというのだ。
「悪い方向に変わったらね」
「駄目に決まってるわ」
 蝉玉はスターリングに即座に答えた。
「もうね」
「その通りだよ」
 スターリングもその通りだと返した。
「もうね」
「そうよね」
「独裁国家になったら」
「民主主義国家から」
「どうにもならないし」
「ナチスなんかそうだね」
「ナチスは選挙で政権に就いたのよ」
 蝉玉は歴史のこのことを指摘した、連合においては子供の頃から繰り返し教えられることの一つである。
「それでどうなったか」
「ドイツは破滅したからね」
「第二次世界大戦起こして」
 その歴史を語った。
「沢山の人を殺して」
「世界を滅茶苦茶にして」
「そしてね」
 その結果というのだ。
「破滅したから」
「そう変わったら駄目だよ」
「本当にね」
「人だってね」
 スターリングは自分達自身の話もした。
「変わるにしても」
「よく変わらないとね」
「何でも変わればいいか」
「そうじゃないわね」
「成長するのが大事で」
「変わるにしても」
「そうした意味で変わるならいいけれど」
 それでもというのだ。
「退化とか劣化とか」
「そういう風に変わったらね」
「問題外だからね」
「真面目だったのがゴロツキになるとか」
「そんな風に変わったら」
 それこそというのだ。
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