第一章
[2]次話
音楽留学で得たもの
国立音楽大学からウィーンに留学してさらに音楽を学んだ、真田幸子卵型の顔で丸い黒目がちの大きな目と黒いはっきりした眉を持ち長い黒髪をポニーテールにした一六一位の背のすらりとした彼女はそうしてだった。
音楽彼女が学ぶクラシックについての知識は相当なものになった、そのうえで日本に戻り大学院でも学び。
母校で教鞭を取りボランティアで子供達にも音楽を教えたが。
ある日小さな男の子にだ、こう聞かれた。
「先生何か楽器演奏出来るの?」
「ピアノは出来るけれど」
真田は男の子に正直に答えた。
「先生楽器は専門じゃないのよ」
「音楽の先生なのに?」
「そうなの」
こう話した。
「先生はね」
「変なの」
男の子は真田の言葉を聞いて言った。
「音楽の先生なのに」
「そう思うのね」
「バイオリン出来ないんだ」
「ピアノ以外の楽器はね」
ここでもこう言った。
「それでね」
「それで?」
「そのピアノも教えられる程じゃないわ」
人にというのだ。
「先生は楽器は上手じゃないの」
「じゃあ何がいいの?」
男の子は自分に正直に話ス真田に尋ねた。
「先生は」
「音楽を知っているわ」
真田は微笑んで答えた。
「音符も歴史も作曲家もね」
「そうなんだ」
「ドイツ語にイタリア語も読めるしお話出来るわ」
音楽で使われる言語もというのだ。
「イタリア語からフランス語やスペイン語もね」
「先生頭いいんだ」
男の子は真田の話を聞いて思った。
「そうなんだ」
「そうかしらね」
真田はそう言われても実感がなかった。
「先生自分で頭いいとは思わないわ」
「そうなんだ」
「ええ、けれど知っていて」
音楽についての知識を備えているというのだ。
「読み書きも出来て教えられるわ」
「音楽のことを」
「イタリア語やドイツ語をね」
「だったら」
男の子はここまで聞いて思った。
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