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金木犀の許嫁
第五十三話 家に帰ってその九

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「学ばれていき」
「進歩していきますか」
「今が絶対ではありません」
 幸雄はやや強い声で語った。
「決して」
「どんな学問もそうですか」
「そうです、ですから科学もです」
「今の技術が絶対じゃないですね」
「知識も」
「だから未来のものは語れないですか」
「未来の科学の技術や知識は」
「今は間違っていてもですね」
「将来はです」 
 それはというのだ。
「まことにです」
「わからないですね」
「そうなのです」
「じゃあ」
 真昼はそう聞いて言った。
「タケコプターやどこでもドアも」
「実現出来るかも知れないです」
「そうなんですね」
「そうです」
 まさにというのだ。
「可能性はあります」
「そうなんですね」
「確かに今の技術では無理です」
「そうした道具を作ることは」
「そうです、しかし」
「未来はですね」
「新たな発見があれば」
 その時はというのだ。
「また技術が生まれるなら」
「実現できますね」
「そうした道具も」
「そうなんですね」
「そうした道具は実際には無理と言っても」
 それでもというのだ。
「あくまで、です」
「今の技術や知識ではですね」
「そうです、人間の知識や技術なぞ」
 そういったものはとだ、幸雄は真昼に話した。その語る口調は穏やかなものであるが非常に真面目なものがあった。
「ちっぽけなものです」
「あまりないですね」
「まさに大海の中の小匙一杯です」
 それだけのものだというのだ。
「まことにです」
「小さなものですね」
「人間は全てを知っている様で」
 その実はというのだ。
「殆どです」
「知らないですね」
「この世のこと全てについてそうで」
「科学についてもですね」
「確かに数十年前よりは知っています」
 科学の知識を備えているというのだ。
「しかしです」
「それでもですね」
「結局はです」
 その知識はというのだ。
「非常にです」
「僅かなもので」
「それで未来の技術を無理だとか言っても」
「わかりません、むしろです」
 幸雄はこう言い換えた。
「無意味です」
「そんなことを言っても」
「はい」
 そうだというのだ。
「全く以て」
「そうなんですね」
「むしろ漫画やアニメの道具、ロボットでもです」
「観てですね」
「どうしたら実現出来るか」
「そう考えて実現出来る様にですね」
「努力する方がです」 
 まさにそうした方がというのだ。
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