第五話 海にグラウンドにその九
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「実は」
「私には何もしないのは」
「いや、結婚してお子さんいるんで」
あたるは響子にも答えた。
「ですから」
「声をかけないですか」
「俺もちゃんと見てます」
右の人差し指を立てて話した。
「そうしたところは」
「そうなのですね」
「そういえばお母様には声をかけないですね」
了子がこのことに気付いた、着ているのは白のワンピース水着だ。
「そうでね」
「うちのママにもだな」
「そうですね」
飛鳥は兄の言葉に頷いた。
「よく見れば全くです」
「声をかけないな」
「そうですよね」
「母ちゃんにもっちゃ」
ラムも気付いた。
「声をかけないっちゃ」
「いや、流石にな」
「母ちゃんにはっちゃ」
「そもそも興味が湧かん」
あたるはきっぱりと言った。
「相手の人がいるとはっきりわかる場合はな」
「そうっちゃ」
「声をかける時もあるがな」
それでもというのだ。
「それだけだ」
「それ以上はっちゃな」
「進まん」
「言われてみればそうっちゃ」
「俺にも好みがあるしだ」
それにというのだ。
「しないこともある」
「そういうことっちゃね」
「誰でもじゃないのはいいことよ」
なびきは冷静に述べた。
「九能ちゃんも実は節操あるしね」
「あれっ、何だかんだで」
かすみはそのなびきの横で言った。
「なびきって九能君と」
「それは言わないでね」
「秘密ね」
「まあね」
どうにもという口調で言うのだった。
「その辺りはね」
「それじゃあね」
「そういえば東風先生っていなかったか?」
メガネはふと思い出した。
「天道道場の近くに整骨院があったな」
「ああ、今もあるよな」
チビも言って来た。
「そういえばな」
「出来る先生らしいな」
コースケはその彼のことを話した。
「何でもな」
「かすみさんその先生と何かあるのか?」
カクガリは首を傾げさせて言った。
「ひょっとして」
「東風先生なら今もおられるけれど」
かすみは左頬に手を当てた姿勢で四人に答えた。
「皆見ないのかしら」
「そういえば見ないな」
「そうあるな」
「お店の前は通るが」
「お姿は見ない」
「おられる筈ですが」
「何でやろな」
良牙、シャンプー、ムース、九能、小太刀、右京も今気付いた。
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