第五話 海にグラウンドにその七
[8]前話 [2]次話
「もうな」
「絶対ですよね」
「お前いつもそれでしくじってるけれどな」
それでもというのだ。
「今度は世界チャンピオンだ」
「そうなれるかどうかなんで」
「だからな」
そうであるからだというのだ。
「絶対にな」
「減量ですね」
「ああ、いいな」
「わかってます」
「若しお前一人で無理そうならな」
いつものことからだ、向田は言った。
「俺が強引に減量させるからな」
「えっ、無理矢理にですか」
「当たり前だろ、世界だぞ」
今度挑戦するのはというのだ。
「だからな」
「それで、ですか」
「無理にさせるからな」
「それはきついですね」
「きついと思うなら自分でやれ」
これが向田の返答だった。
「いいな」
「世界も厳しいですね」
「当たり前だろ、ボクサーなら誰だってなりたいだろ」
「はい、俺もです」
「だったらな」
それならというのだ。
「厳しくて当然だ、だからな」
「俺だけじゃ無理ならですか」
「牢屋にぶち込んでもだ」
「体重は管理するんですね」
「体重管理ならだ」
飛麿が言って来た。
「綾小路家も協力出来るぞ」
「ああ、そうだったな」
向田は飛麿の言葉を受けて頷いた。
「綾小路家はスポーツ関係の家だからな」
「そちらで世界屈指の企業グループになっている」
「そうだったな」
「面堂家に対抗出来る位のな」
「それでか」
「ボクシングの体重管理で悩んでいるならな」
畑中についてというのだ。
「それならだ」
「協力してくれるか」
「会ったのも何かの縁だしな、トレーニングのこともだ」
こちらのこともというのだ。
「何かと協力出来る」
「それじゃあな」
「何でも言ってくれ」
「そうさせてもらうな」
「あの、私もです」
飛鳥も言って来た、両手の十本の指を組み合わせ祈る様にしている。
「及ばずながら」
「協力してくれるか」
「減量もトレーニングも」
どちらもというのだ。
「協力させて頂きます」
「あれっ、ただね」
赤いビキニ姿の朱美がここで飛鳥に言った。
「あんた男がね」
「苦手です」
飛鳥もそのことは認めた。
「今も」
「そうだよね」
「ですが皆さんと一緒にいますしお兄様もいて下さいますし」
飛麿も見て言うのだった。
「大丈夫です」
「そうなんだね」
「畑中さんも悪い感じはしませんし」
「こいつ食い意地はあるけれどね」
それでもとだ、朱美は畑中も見て話した。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ