第二章
[8]前話
「その飼い主さんも亡くなって」
「この娘だけになりましたけれど」
「それでもな」
「ずっと待ってますからね」
「病院に担がれてそこで亡くなった飼い主さんをな」
「そうですよね」
「だからな」
それでというのだ。
「うちで新しい飼い主さんを探してな」
「来てくれるまで面倒を見てくれて」
「街の人達もしてくれるしな」
「はい、今はですね」
「俺達で面倒を見ような」
「そうしましょう、こんないい娘放っておけないですよ」
ムー=デーンにマットと毛布も出してだった。
彼女の頭を撫でた、すると嬉しそうに尻尾を振った。彼も店長もそうして親しく面倒を見ていたがやがて。
地元のアパートを経営している一家が引き取った、一家の主はその時にチャンに微笑んで穏やかな声で言った。
「ムー=デーンをずっとです」
「幸せにしてくれますね」
「セブンイレブンは日本の会社ですが」
その入り口を見て言った。
「日本にはハチ公のお話がありますね」
「渋谷とかいうところの」
「そのハチ公みたいないい娘ですから」
だからだというのだ。
「必ずです」
「幸せにしてくれますね」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「必ずです」
「お願いします」
「約束します」
こう言ってムー=デーンを引き取った、そして毎日彼女を散歩に連れて行き店の前も通ったが彼女はとても健康そうでいつも尻尾を振っていた。チャンも店長もその彼女を見てよかったと心から笑顔になった。
コンビニの前で 完
2025・2・17
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