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クレーマー対処も仕事
第二章

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「それはね」
「そうですよね」
「けれどね」 
 それでもというのだ。
「ああした人もいることはね」
「クレーマーのお客さんがですね」
「割り切るの、当然店長さんも本社もわかってるし」
「お話を聞いてですね」
「対処するの、ああした人から何を言われてもクビにはならないから」
「ただの言いがかりってわかっているので」
「そうよ、それにね」 
 和歌子はさらに話した。
「そのうちいなくなるから」
「いなくなります?」
「そうなるわよ」
「あの人ご近所で引っ越さないですよね」
 青空はその話を聞いて知っていて言った。
「うち住宅街の近くにありますし」
「けれどそうなるから」
「そうですかね」
 青空は和歌子の今の言葉は信じられなかった、だが暫くしてその客は来なくなった。そして風の噂で聞いた。
「あのお客さん脳梗塞で倒れたらしいですね」
「それで今入院してるらしいわね」 
 和歌子も噂を聞いていて知っていた。
「どうやら」
「そうですよね」
「ああした人はいつも怒ってイライラしてるから」
「ストレス溜まってますか」
「あら捜ししてクレーム付ける人はね、そんな状態だとね」 
 それならというのだ。
「ストレスは身体にも影響するから」
「よく言われますね」
「それでよ」
「あのお客さんもですね」
「脳梗塞で倒れたのよ」
 そうなったというのだ。
「それで退院してもリハビリ大変でね」
「もううちの店に来ないですね」
「来られる様になってもまともに喋れないわよ」
「クレームもないですね」
「いなくなるのと同じでしょ」
「確かに。そういうことですね」
 青空もここでわかった。
「ああした人はいなくなりますね」
「そうよ、だからクレーマーのお客さんにはね」
「その時対処すればいいですね」
「それもお仕事よ」
「わかりました」  
 青空は微笑んで頷いた、そうしてだった。 
 この日も店で働いた、店に来る客は今はいい客ばかりだった。それで心地よく働くことが出来たのだった。


クレーマー対処も仕事   完


                    2025・2・16
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