第一章
[2]次話
雨後の筍の如く
とある左から右に移動し敵を踏んだりものを投げたりして倒しつつ様々な障害物を乗り越え先に進んでいくゲームがヒットした、すると。
「うちも作るぞ」
「うちもだ」
「うちも作るんだ」
どのゲーム会社もだった、そのゲームと同じ様なゲームを作って売りはじめた。その状況を見て小学五年生の杉原一雄細面に丸坊主の彼は言った。
「最近こんなゲームばかりだよな」
「あら、またそのゲームやってるの」
家のリビングでゲームをする息子に後ろから母が言ってきた。
「スーパー何とか」
「今やってるのはヤンチャ丸だよ」
「そういえば色々違うわね」
画面をよく見ればそうだった。
「何かね」
「けれど最近こんなゲームばかりなんだよな」
「スーパー何とかが当たって」
「それでだよ」
プレイをしつつ言った。
「もうな」
「そうしたゲームばかり出てるのね」
「前はシューティングばかりで」
それでというのだ。
「今はこうしたゲームばかりだよ」
「一つ当たったらね」
「もう皆作るから」
どのゲームもというのだ。
「同じ様だよ」
「何でもそうなのよね、一つあたるとね」
母は息子に話した。
「皆同じ様なもの作って売るのよ」
「他のもの色々作ればいいのに」
「そうはならないのよ」
「そうなんだ」
「世の中はね」
息子に言った、そして息子はその言葉を他のものも作ればいいのにと思いながら聞いた、子供の頃そう思ったが。
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