暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第242話:風鳴の家系は化け物か
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、ナーウ〉

 屋根の上に降り立った訃堂に向け、輝彦が爆裂魔法を放った。屋内では屋敷倒壊の危険もあって使えなかったが、屋根の上とは言え屋外に出てしまえば爆発の方向を間違えなければ問題ない。魔法の鎖も障壁も膂力で粉砕してしまう化け物な身体能力を持つ老人ではあるが、純粋な爆発を前にすればただでは済まない筈だ。殺せるかどうかは正直ここまで来ると自信が無いが、少なくともダメージを負わせる事は出来る筈である。

 だが輝彦の予想はとんでもない形で裏切られた。何と訃堂は自身の直ぐ傍に魔法陣が出現し爆発が起こると、その爆発を手にした刀で切り裂いて爆発の衝撃を散らしてしまったのだ。

「ゲッ!?」
「ぬぇぁぁぁぁぁぁっ!」

 とんでもない光景に固まってしまった輝彦に、訃堂が素早く接近すると刀を振るい鋭い斬撃を放つ。咄嗟にハーメルケインで防ぐ輝彦だったが、踏ん張りが間に合わずそのまま吹き飛ばされて地面に体がめり込んでしまった。

「うぐぁ、は……ぁ……!?」
「輝彦ッ!?」
「死ねぇぇいッ!!」

 輝彦にトドメを刺そうとする訃堂に対し、弦十郎は2人の間に飛び込むと振り下ろされた刀を白羽取りして止めると蹴りを放って訃堂を屋根の上にまで蹴り飛ばした。蹴りの衝撃で刀が訃堂の手から離れ、弦十郎は残った刀を放り捨てると訃堂を追って屋根の上に飛び乗った。弦十郎が屋根の上に飛び乗った時点で、訃堂はまだ着地できていない。彼が屋根の上に着地するタイミングを狙って、弦十郎は握り締めた拳を不動の鳩尾に叩き込む。

「貰ったぁッ!!」

 屋根の上に着地した訃堂の老いた肉体に、弦十郎の丸太の様な腕から放たれる拳が叩き込まれる。その衝撃は凄まじく、訃堂の後ろの屋根の河原を吹き飛ばし屋敷の傍の大岩を穿つほどの威力であった。
 地面に出来たクレーターの中からその光景を見ていた輝彦は、一瞬弦十郎の勝利を確信した。だが次の瞬間、口から血を吐いたのは訃堂ではなく弦十郎の方であった。

「ぐ、はぁ……!?」
「弦十郎ッ!?」
「……儚き哉」

 弦十郎の一撃は訃堂に命中していなかった。着地の瞬間訃堂は僅かに体を逸らして弦十郎の一撃を回避、同時にカウンターで抜き手を彼の腹に叩き込んでいたのである。
 自分の攻撃の勢いがそのまま自分に返って来たことに、弦十郎が血反吐を吐きながら動きを止めていると訃堂が彼の体を背後から抱きしめ屋根の上に跳躍。そのまま反転すると、上下逆さまの状態で弦十郎の頭を庭にある岩に叩き付けた。

「はぁっ!」
「ま、マズイ……!」

 訃堂が弦十郎にトドメの一撃を放とうとしているのを見て、輝彦は咄嗟に右手の指輪を取り換えハンドオーサーに翳した。それと同時に訃堂は弦十郎の頭を岩に叩き付け、結果弦十郎の頭は岩を粉砕し庭に新しくできたク
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