第二章
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「髪の毛のことは」
「そうなのね」
「人間五十になったら薄くなるか太るか身体を悪くするかでな」
それでというのだ。
「身体を悪くするのは一番怖い」
「そうよね」
妻も確かにと頷いた。
「そうなるとね」
「大変だな」
「膝や腰痛めたり病気になったり」
「お父さんはそれはないからな」
「いいのね」
「そうだ」
こう妻に言った。
「このままいく、開き直ってな」
「薄いままでいくのね」
「育毛剤を買うか植毛だな」
「植毛がいいんじゃないかしら」
「じゃあそちらだな」
こうした話をしてだ、勝也は実際にそれを行ってだ。
無事にこの問題を解決した、だが職場で部下にその輪を聞いて目を丸させてそのうえでこう言った。
「へえ、あっちの貴族はそうだったんだ」
「はい、フランス革命前の」
若い部下は笑って話した。
「ロココの頃ですね」
「マリー=アントワネットだね」
「女の人はああした髪形で」
「物凄く高くして」
「上にディオラマなんか置いた」
そうしたというのだ。
「凄い髪形でしたが」
「あれだね」
「男の人はです」
貴族のというのだ。
「あの左右にカールを巻いた」
「モーツァルトもそうだね」
肖像画の彼の話をした。
「あの髪形だね」
「あれ実は鬘で」
「自由に変えられたんだ」
「実は皆剃っていまして」
頭をというのだ。
「それで、です」
「鬘を被っていたんだ」
「そうだったんですよ」
「あの変わった髪形は」
それはとだ、勝也は言った。
「僕達から見ると」
「セットに時間かかりそうですね」
「男の人もね」
「はい、ですが」
実はというのだ。
「鬘だったんですよ」
「わざわざ剃ってなんだ」
「被っていました」
「そういえば」
ここで勝也はあることを思い出して言った。
「エジプトでもだったね」
「古代のですね」
「うん、皆実は剃っていて」
頭をというのだ。
「髪の毛をなくしてね」
「鬘を被っていました」
「そうだったね」
「もうこうしたらですね」
部下は笑って話した、休み時間に歴史の話で盛り上がって話している最中だ。
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