暁 〜小説投稿サイト〜
金木犀の許嫁
第五十三話 家に帰ってその五

[8]前話 [2]次話
「まことに」
「サイバー忍者がですね」
「はい」
 まさにというのだ、幸雄は温和な笑顔で笑っているが語るものには真剣な響きがあることが真昼も聞いてわかった。
「そうです」
「科学を取り入れていって」
「進歩していくことがです」
「そしてサイバー忍者になることがですね」
「忍術、忍者のあるべき姿です」
「そうなんですね」
「はい、ですが」
 幸雄はこうも言った。
「科学は絶対ではなく今の時点の科学もです」
「絶対じゃないですね」
「科学の定説は常に変わります」
 そうしたものだというのだ。
「科学も学問なので」
「学問ならですか」
「常にです」
 まさにというのだ。
「時代によってです」
「定説も変わりますね」
「今無理と言われても」 
 学説においてだ。
「後で可能と言われることもです」
「ありますね」
「技術が進歩し知識が深まれば」
 そうなればというのだ。
「幾らでもです」
「変わりますか」
「若し今の時点の科学が絶対で未来の科学を否定するなら」
 そうした行為はというと。
「これ以上はないまでに非科学的です」
「そうなりますか」
「科学は進歩し続け」
 そうでありというのだ。
「発展し続けるものであり」
「今の時点ではですね」
「常にです」
「まだまだなんですね」
「そうしたものですから」
「今の科学は絶対じゃないですね」
「はい」
 断じてというのだ。
「そんな筈がありません、漫画やゲームでも」
「創作の世界でもですか」
「未来の科学を現代のそれで否定しても」
 そうしてもというのだ。
「わかりません」
「将来はですね」
「そうです、八十日で世界を一周することも」 
 これもというのだ。
「不可能と言われましたね」
「小説の中で」
「しかし」
 それがというのだ。
「出来ましたね」
「そうでしたね」
「そして今では」
 現代ではというのだ。
「船でもより短くです」
「世界一周が出来ますね」
「この八十日で世界一周はです」
 幸雄はこの言葉自体についても話した。
「ジュール=ヴェルヌの小説からですが」
「八十日間世界一周ですね」
「名作です」
 佐京に確かな声で答えた。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ