序:唸れ、鋼鉄の拳!
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2055年。
時代は地球温暖化の問題も解決の目処がたち、人類に恒久的平穏が訪れるかと思われていた。
だが、ようやく平和を手にいれようとした『人類を脅かす存在』が歴史の表舞台に現れた。
『モンスター』とも『怪人』とも呼ばれたその人ならざる脅威は人類に襲い掛かっていた。
人々がなすすべなくその脅威を晒される中、とある戦士が現れた。
「―――変身!」
何処からともなく現れ、人々を襲う怪人達と戦い、勝利をすると何処かへと去っていく。
常人ならざる人間離れした力を宿し、素顔を仮面で覆うその戦士の名は、『仮面ライダー』。
昭和、平成、そして令和の時代に出現した仮面の戦士達は悪の脅威から人々を守ってきた。
2055年となった現代、"水を制し司る戦士"をはじめとした仮面ライダーが人々の平和を守る世の中となった世界。
そんな中、『新たなる仮面ライダー』が今表舞台に姿を表そうとしていた。
〜〜〜〜〜
日本・関東地方の某所。
山の中を通る道路を通りながら首都へと向かう軽自動車。
法定速度を無視して走るその車は何かから追われるように逃げていた。
運転席にてハンドルを握る男性・雨谷壮一は焦った表情で浮かべアクセルを吹かしていた。
「くぅぅ……なんで、なんで狙われるんだよぉ!」
雨谷は『自分を追いかける者』から逃げるために、逃げる足を早める。
だが、雨谷が運転する軽自動車が走る前方が大爆発。
思わずブレーキパッドを踏み、急停車をする雨谷……何が起きたのかと驚いていると、巻き起こる爆炎の中からいくつもの人影が現れる。
「いたよ」
「いるよ」
「ここにいるよ」
雨谷の目の前に現れたのは、揃った見た目をした三体の怪人達。
ショルダーアーマーを付けたロングコートを羽織ったその格好の怪人―――『モールイマジン』達はゆっくりと雨谷に迫る。
未知の怪物を目にして、雨谷は恐怖の顔で叫ぶ。
「く、くるな!くるなよ化け物!」
「ハッ!!」
モールイマジンの一体が片腕のアックスを振るい、軽自動車のボンネット部分を含めた車体部分に深々と切断する。
車が使い物にならなくなったと判断した雨谷は助手席に放り投げていたジェラルミンケースを掴むと、慌てながら運転席のドアを開けて逃亡を図る。
だが、雨谷の逃げ道を断ち塞ぐように他のモールイマジンが立ちふさがる。
「逃げるなよ」
「逃げないでよ」
「ひっ!?」
異形の怪人が間近に現れて思わず悲鳴を上げる雨谷。
背後にも残っていたモールイマジンに回り込まれ、怯える雨谷……そんな彼にモールイマジンはにじり寄る。
このままでは万事休す……この場に目にしたものがそう思い込むとき、一つの声が響いた。
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